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TCC賞2014

TCC賞2014 最高新人賞・新人賞受賞作品発表

本年度TCC賞新人賞は、審査委員長である谷山雅計さんはTCC全会員にアンケートを実施。 そのアンケート結果で、支持が多かったことから、20人強の新人賞を選出した。本年度は新人賞の全応募者に対して4.9%、全部で21人。過去の平均に比べて厳しい結果となった。

山﨑博司(TBWA\HAKUHODO)
「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」

「めでたし、めでたし?」は、「2013年度 新聞広告クリエーティブコンテスト」に出品した作品です。これは博報堂在籍時にコンテストの募集告知ポスターを見て、同僚だったアートディレクターの小畑茜さんに声をかけて一緒に取り組んだものです。

募集テーマは「しあわせ」。以前から考えていたことですが、人の幸せの価値基準はそれぞれ違う。僕にとっての幸せは、別の人から見ると幸せではなくなるかもしれない。では、あなたにとっての幸せとは何かという問いを、広告を見た人に投げかけたいと思いました。その時ちょうど、アメリカがシリアの内戦に軍事介入しようとしているニュースを見たことも、表現の核になりました。当時のニュースでは、アメリカからの一方的な情報しか発信されておらず、それは本当に正しいのか違和感がありました。こうしたことを何か別のもので多面的に表現できないかと思い、誰もが知っている童話『桃太郎』を題材に、退治された鬼の立場から表現したコピーへ行きつきました。『桃太郎』は「めでたし、めでたし。」で終わるけれど、これはその先の物語ともいえるもの。鬼の子どもからしてみれば、桃太郎は親の仇です。そこで、鬼の子であれば言うだろうと思い、あえて強く「やつに殺されました」とドキリとする表現にしました。

TCC賞の新人賞に5本応募する際には、どの作品を応募するのが良いか10人以上にアドバイスを受けました。TBWA\HAKUHODOに出向して間もない時期でしたが、初めて話す方にも聞いて周りました。その中でも「桃太郎のコピー」はいいねと言ってくだる人が多かったです。ただ、まさか最高新人賞を獲れるとは。

博報堂時代、コピーライターの井口雄大さんの下で ...

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審査員が振返る「今年のTCC賞」後編
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