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宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&A

生成AIと著作権―「依拠」って何ですか?

岡本健太郎氏(骨董通り法律事務所)

    QUESTION:

    Q.「依拠」って何ですか?どういった場合に、依拠が認められますか?

ANSWER:

POINT1
文化庁の素案

2023年12月、文化庁が「AIと著作権に関する考え方について(素案)」を公表し、2024年1月に修正案を公表しました。この素案は文化審議会の著作権分科会による、AIと著作権に関する考え方の方向性を示したものです。この素案については折を見て触れますが、依拠について興味深い考え方が示されています。分科会では、今後も素案の検討を予定しており、内容の変更も想定されますが、今回はこれを契機に依拠について考えます。

「依拠」とは、他人の著作物に接し、自己の作品に用いることなどをいいます。自己の作品が他人の著作物に似ていても、他人の著作物への依拠がなければ、偶然の一致であって著作権侵害にはなりません。一方、他人の著作物に依拠し、他人の著作物と似た作品を制作などすると、著作権侵害になり得ます。


POINT2
依拠

依拠の有無は、創作者の認識などの問題であって、他人の著作物に依拠したか否かは、厳密には創作者本人しかわかりません。ただ、後行の作品は、「他人の著作物(原作品)を知らなければ、偶然そこまで似ることはあり得ない」と言えるほど原作品とかなり似ている場合には、依拠が推認されます。原作品がかなり有名で、誰でも知っているような場合も同様です。

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