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SUMMITセミナーレポート

成功体験にとらわれない、新たなステージへ 洋菓子メーカー2社のブランドづくり

高田基位氏(メリーチョコレートカムパニー)、北村 萌氏(BAKE)

メイン商品のリニューアルや新ブランド「ルル メリー」の開発など、創業70年を超える老舗企業ながら新たな挑戦を続けているメリーチョコレートカムパニー。2013年に「お菓子のスタートアップカンパニー」を打ち出し、直近では店舗中心のビジネスモデルからOMO戦略を展開するBAKE。ブランド戦略において新たな局面を迎えている2社に、最先端の取り組みを聞いた。

老舗企業とスタートアップ企業のブランド戦略

老舗メリーチョコレート×新興BAKEが対談
―スイーツの「体験価値」ってどうつくる?ブランド開発とデザイン戦略、それぞれの考え方

メリーチョコレートカムパニー
執行役員 マーケティング本部本部長
高田基位氏
(左)

BAKE
ブランディング執行役員
北村 萌氏
(右)

成功体験や強みは呪縛にも変わる

1950年の創業から現在に至るまで、「贈答用菓子」の代名詞的存在として愛されてきたメリーチョコレートカムパニー。「BAKE CHEESE TART」や「PRESS BUTTER SAND」といった「1ブランド1プロダクト戦略」を選び、ブランドを育成してきたBAKE。

ともに変化の激しい洋菓子カテゴリーに属する2社だが、ビジネスを展開してきた期間が異なる企業では課題感に違いはあるのか。ロッテに入社後宣伝部・マーケティング部を歴任し、現在グループ企業のメリーチョコレートカムパニーに出向している高田氏は、メリーが扱う贈答用菓子ならではの難しさを語る。

「例えば『コアラのマーチ』や『パイの実』のように、商品名がまずあって購買に繋がる商品と違い、何らかの理由でどなたかに贈答する目的の商品を主に扱います。そのため、購入する顧客の先に、さらに受け取るお客さまがいるという意識をせねばなりません。実際にお金を出して購入してくださったかたとそれを贈られたかたとでは最適なコミュニケーションの形が違いますし、贈答目的であるがゆえに商品に触れる頻度はロッテのようなメーカーの商品と比べるとどうしても低くなります。

したがって、飽きられることなく、けれどやりすぎないように、顧客に新しい体験を提供していく必要があると思っています」(高田氏)。メリーチョコレートは長い歴史を持つ半面、過去の成功体験から抜け出しにくい部分もあると語る高田氏。

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