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マーケティングサイエンスの視点

データから市場を探す、データで市場を育てる

豊田 裕貴氏(法政大学経営大学院)

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アルファロメオの中国進出データを活用し、爆速で完売

今回は、有名なマーケティングにおけるデータ活用の実例をもとに、データのイカシカタを考えていきましょう。

「アルファロメオ」の事例をデータ活用の視点から、考えます。2017年、イタリアの自動車メーカー「アルファロメオ」は中国市場に初めて進出しました。初進出ということで、その時点では販売網はなく、顧客へのアプローチ方法も、十分に持ち合わせてはいませんでした。そこでアルファロメオ社は、中国で人気のあるアリババグループに着目し、ECサイト経由で売り出すことにしました。

自動車をECサイトで?と思われるかもしれませんが、2015年にはすでにアリババ社はEC上で自動車販売を開始しており、高い販売実績を上げていたのです。この方法ならディーラーを介した売り込みが不要になるだけではなく、そのECサイトで購入している行動データや登録データを活用できます。例えば、同じイタリアの高級ワインやブランド品も購入している利用者は、興味を持つのではないかといった具合に、ターゲットを絞り込むことができるでしょう。

このアルファロメオの中国進出では、当初半年で350台を売る計画だったと言われています。では実際にECサイトとその情報を活用し、中国市場に参入した結果、350台はどれくらいの期間で契約を取る(売り切る)ことができたでしょうか。答えは、「33秒」です!もちろん、中国...

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