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マーケティングサイエンスの視点

外れ値の見つけ方・活かし方:時系列データから仮説をつくる

豊田裕貴氏(法政大学経営大学院)

皆さんは定期的に値を追っているデータをお持ちでしょうか。時間の経緯とともに記録されるデータを「時系列データ」と言います。マーケティングでも、ウォッチしておくべき時系列データは色々あります。

例えば、シェアやブランドスイッチ率(解約率)、そして、アクセス件数や口コミ数などさまざま。多くの場合、これら時系列データは、傾向(トレンド)や繰り返されるパターン(周期性)をチェックします。それをもとに、予測をしたり、変化を発見したりというのが一般的ですが、ここでは「ヒントを得る」という視点から時系列データのイカシカタを考えていきましょう。

ここでのキーワードは「外れ値の特定」と「因果関係の検討」です。時系列データで折れ線グラフを描いてみると、上下に幅を持って値が動いていることがわかります。その際、突出して大きい(小さい)値があれば、気が付くはずです。これらの突出した値を「外れ値」と呼びます。このように視覚的にも確認はできますが、客観的に外れ値を特定することができると便利です。

簡単に2つの方法を解説します。ひとつは、意味から幅を決めておいてそれを超えたら外れ値とする方法。例えば、アクセス件数が日々平均的に500件あるサービスが500件±50件の幅を超えて増えたり減ったりしたら、その日を「外れ値」だと判断するといった...

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