「餃子の街」と聞いたら、どの街を思い浮かべるだろうか。今回は、マーケティングで活用されるランキングデータを例題にデータサイエンスの“イカシカタ”を考えていく。
前回も登場したアル・ライズ&ジャック・トラウトは、カテゴリーの法則として、自ブランドが1位になれるカテゴリーをつくることがマーケティングでは有効だ、と指摘している。確かに、あるカテゴリーで1位と言われると、「良いもの」だという感じがするし、「試してみたい」という気持ちが高まるだろう。
さて、冒頭の「餃子」の例に戻る。食べ物をキーアイテムにして、地域ブランドを訴求する際、しばしば1位を巡る戦いが展開される。有名なデータ例には、毎年発表される総務省統計局の家計調査データの活用がある。このデータを元に、全国の県庁所在地と政令市でのさまざまなランキングがつくられ、マーケティングに活用されている。
今回の「餃子」の例では、2022年の結果(2023年2月発表)によると、1位:宮崎市、2位:宇都宮市、3位:浜松市となった。二連覇の宮崎市では、「宮崎ぎょうざEXPO」が開かれるなど、盛り上がりを見せている。
この結果からどのような印象を持つだろうか。「これらの地域は餃子の街だから、美味しい餃子店が多いに違いない」というようなイメージを持つ人もいるだろう。そう感じてもらえるとすれば、地域ブランディングの…
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