“マーケティングは知覚を巡る戦いだ”。そう説いたのは、アル・ライズ&ジャック・トラウトである。これは顧客の頭の中にどのように商品サービスを位置付けるかが、マーケティングの成否を分けるということだ。もちろん、顧客の頭の中をそのまま見ることはできない。そこでデータサイエンスの出番だ。
顧客満足度調査の例で考えてみよう。例えばコーヒーショップでは、「味」「接客」「店内の雰囲気」などの個別項目の満足度を10点満点で聞くといった具合でデータ(顧客の知覚)が取得できるだろう。こういった調査で得たデータのイカシカタをマーケティングの視点から見ていく。
まずは、どんな項目の満足度を調べるかの視点だ。コーヒーショップの例で、「飲み物の味」と「レシートの手触り」のいずれかの満足度を調査するとしたら、どちらを選ぶだろうか。もちろん「飲み物の味だ!」と思うだろう。それは「レシートの手触り」の満足度を高めたとしても「何も」起きないと感じるからだ。それでは、「飲み物の味」の満足度が改善されると「何が」起きると考えているのだろうか。「再来店意向を高める」かもしれないし、「客単価を上げる」かもしれない。
いずれにしろ、何か(=ゴール)と個別項目の満足度には「因果関係」を想定しているのだ。こう考えると、個別項目の満足度と併せて、「再来店意向」という態度データや...