イギリス・ロンドンを拠点とするデザインと広告のアワードD&ADは、5月24日・25日の夜にアワードセレモニーを開催し、受賞作品を発表した。ここではAdvertisingカテゴリーより、イエローペンシルを受賞した5作品を紹介する。

01 Experimential 他:DDB Chicago、The Mars Agency、Weber Shandwick
販売停止してごめん⋯クレームを入れた13万人に謝罪
Skittles「Apologize the Rainbow」

アメリカの食品会社マースの一部門であるウィリアム・リグレー・ジュニア・カンパニーが製造・販売する「スキットルズ」は、頭文字の「S」が刻印された、カラフルなソフトキャンディだ。
元々オリジナルパックにはグレープ・ライム・レモン・ストロベリー・オレンジの5種類が入っていたが、同社は2013年、ライム味を廃止し、グリーンアップル味に置き換えた。これに対し多くのファンは動揺。13万880人が悲しみと怒りの声をSNSに投稿したという。
そして抗議運動が約8年続いた2021年9月、同社はついにライム味を復活させることにする。このときに行ったキャンペーンが、「Apologize the Rainbow」だ。
2022年3月にティザーとして公開されたのは、舞台裏で謝罪の練習をするスキットルズの役員を映したショートムービー。そして謝罪会見の当日、会場のモニターにはクレームの投稿が順に映し出され、役員はその一つひとつに謝罪の言葉を述べていった。この会見は35分にわたり、TwitchとTikTokでライブストリーミングされた。
さらに、謝罪広告はニューヨークタイムズスクエアの巨大ビルボードにも掲出。また、“不当な扱い”をしたすべての人々のハンドルネームを含む謝罪文をWeb上に投稿。長さにして16.67フィート(約5m)と、全て読むのに10時間以上かかるものとなった。
そして最後に、これだけ謝罪してもなお許さない人たちのために、無料でライム・スキットルを配布する施策を行ったのだ。
今回のキャンペーンにより、関連する検索件数は1000%以上、スキットルズオリジナルパックの売上は…