5月19日、米・ニューヨークで「The One Show 2023」の受賞者が発表された。第50回を迎えた本年度は、69の国と地域から、2万166作品がエントリー。そこから210のゴールドペンシル、200のシルバーペンシル、238のブロンズペンシル、1172のメリットが選出された。ここでは最高賞のBest of Showと、ゴールドペンシル4作品を紹介する。

01 Direct 他:Apple
人々の生活を支える、Appleのアクセシビリティ機能
Apple「The Greatest」




2022年12月3日、国際障がい者デーに先駆けて公開されたAppleのアクセシビリティに対する取り組みを紹介したショートフィルム「The Greatest」が、最高賞である「Best of Show」を受賞した。
ニールセンアドインテルの調査によると、2021年2月に放映されたアメリカのプライムタイム広告約45万件のうち、障がい者が出演するCMはわずか1%。同様にイギリスの放送局チャンネル4の調査でも、4%にとどまったという。
「The Greatest」では、ハンディキャップを持つ7人の人々がApple製品に備わっているアクセシビリティ機能を活用し、創造性を発揮しながら生活していく様子を描く。
例えばSiriやAssistive Touch、拡大鏡を使った、朝の準備。音声コントロールで写真を撮影し、代替ポインタコントロールで編集作業を行う。「Sound Recognition」は赤ちゃんの泣き声を感知し、聴覚障害を持つ母親をサポートする。
この動画は制作現場でも多様性と包括性が大切にされた。
使用されている楽曲は、オーストラリアのアボリジナルピープルをルーツに持つ音楽集団Spinifix Gumによる「I Am the Greatest」。キャストでもある音楽プロデューサーのCola BoyyとジャズピアニストのMatthew Whitakerがリミックスに参加し、劇中ではキャストたちがその歌詞を力強く口ずさむ。
公開1週間で、YouTube上で1600万回再生されたこのショートムービー。音声ガイド付きのバージョンは18万1000回再生された。また公式サイトではトランスクリプトが掲載され、動画そのものも、多くの人が楽しめる...