消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
「従来型のマス・マーケティングが通用しなくなってきた」、「一人ひとりの嗜好性に寄り添うマーケティングが必要だ」といったことが叫ばれるようになって以降、多くの企業で“前例のない”取り組みをしなければ、という気概をもってマーケターの方々は活動してきたと思います。そして2020年のコロナパンデミックの発生により、この課題認識は決定的なものになったように感じます。
生活者の暮らしや価値観は、近年に例がないほど大きく多様化。昨日までと同じマーケティングが通用するわけがありません。
当社が保有する、どのデータを見てもコロナ禍以後、“生活者の変化”は鮮明に表れています。例えば食卓/購買データを見ても、昼食の内食率がコロナ禍前では考えられないくらいに増え、個食系や健康系の商品は前年比増の状況が今も続いています。意識や価値観データからは、外出を控えながら、生活に彩りを取り入れようと、人それぞれの...
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