消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
スーパーマーケットやドラッグストアなどの店頭では、概ね春と秋の2回、メーカーや卸売業と協力して「棚割り・棚替え」が行われます。
トレンドや売上利益を鑑みて棚に並べる商品を選び、どう陳列するかを決定するのですが、どの位置に何フェイスずつ置くか、その戦略は多岐にわたります。カテゴリで固める、特定のブランドで固める、など様々な手法があります。
棚割りについては、店頭は「FMOT(First Moment Of Truth)」と言われるように、重要なものです。生活者は店頭の棚を見て、3~7秒でどの商品を購入するか判断していると言われているためです。限られたスペースの中で競合としのぎを削っているメーカーにとって、自社の商品をいかに陳列し、生活者の目に触れ手に取ってもらえるようにするかは重要な課題であり、各社とも大きな労力を割いています。
他方、オンラインの世界には棚割りはありません。リサーチ・アンド・イノベーションの...
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