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経済学の視点

無料(フリー)と広告の危機

飯田泰之氏(明治大学)

「広告非表示のための課金」は何をもたらすのか?

日本においても、ついにインターネット広告費の総額がテレビのそれを追い抜きました(2019年電通調べ)。今後、ネットのシェアはさらに上がっていくでしょう。元来ネットと広告は極めて相性がよいのです。

供給量を増やすために、書籍やCDであれば生産・流通といったコストがかかりますが、ネットでのダウンロード数が増えても配信側が負う追加のコストはほとんどありません。この追加コストを経済学では限界費用と呼びます。「限界費用0」は、ネットによるコンテンツ配信の大きな特徴です。もちろん大元であるコンテンツ──文章や音楽・イラストなどを創造するためにはコストがかかります。

とはいえ、そのコンテンツが何個売れようと総コストは変わらないのがネットの世界。いくら売れてもコストが変わらないならば、販売側は可能な限り販売量を大きくしようとするでしょう。販売量が最大になる価格は、例外はあれど、もっとも単純には、無料(フリー)ということになる。そして、ユーザーが課金せずに収益を得る古典的な方法が広告なわけです。

その一方で、ネット広告の世界には近年大きな変化が生じつつあります。ネット広告の初期においては、より多くのクリックを誘う、より高い...

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