広告マーケティングの専門メディア

           

宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&A

戦時中の写真の利用 承諾が必要?

岡本健太郎氏(骨董通り法律事務所)

    QUESTION:

    Q.戦時中の写真を利用して、広告を制作する予定です。写真の著作権者は不明ですが、著作権者の同意なく、写真を利用することは可能でしょうか。

ANSWER:

POINT 1
戦中写真の広告

先日、宝島社の広告が話題となりました。第2次世界大戦中の日本で、なぎなたの訓練を行う少女たちの写真を背景に、「このままじゃ、政治に殺される」という政府のコロナ対策に関する批判的メッセージを掲載したものです。

報道によると、この写真は戦時下のものであり、著作権は消滅済みと判断されたようです。著作権が消滅していなければ、原則として著作権者の承諾が必要となり、著作権者が不明な場合には、文化庁の裁定制度(著作権者への使用料の支払に代えて、相当額の補償金を供託する制度)も必要となり得ます。

今回は、この事例を契機に、戦中写真の利用について考えます。

POINT 2
保護期間

第15回でも触れましたが、写真の著作物の保護期間は、概要、1970年12月31日の時点では「発行後13年。未発行の場合は撮影後13年」でしたが、1971年に「公表後50年」、1997年に「著作者の死後50年」、2018年に「著作者の死後70年」と順次延長されました。

このように、写真の著作物は、撮影の時期、公表の...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&Aの記事一覧

宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&Aの記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する