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躍進する持たざる企業のマーケティング戦略

ファブレス企業のダイドーが、協力工場と二人三脚でつくる本物志向の缶コーヒー

土屋淳一氏(ダイドードリンコ)

自動販売機や小売店に向けて、缶コーヒーをはじめとした100種以上の商品を展開しているダイドードリンコ。同社ではファブレス経営の利点をどのように活用しているのか。長年、同社マーケティング部で商品開発やプロモーションに携わってきた土屋淳一氏に話を聞いた。

「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」(画像左)と「ダイドーブレンド 泡立つデミタス エスプレッソ」(画像右)。ダイドードリンコでは、同社が市場調査などで明らかにした消費者ニーズをもとに、協力工場と共に商品を研究し、開発している。

配置薬から飲料の自販機販売へ ファブレスで“本物の味”を追求

1970年代に現グループ会社である大同薬品工業の新事業としてスタートしたダイドードリンコ。大同薬品工業は創業当時、家庭や事業所に「薬箱」を設置し、薬を届ける医薬品配置販売業を行っていたが、高度経済成長期である1970年代に車の交通量が増えたことに伴い、パーキングやガソリンスタンドに置かれた自動販売機による缶コーヒーの需要が急増。

「箱」を設置し、販売するというビジネスモデルは配置薬と通ずるという点から、大同薬品工業は新たに缶コーヒー事業に参入し、1975年には缶コーヒーを主とした清涼飲料・営業部門のみが独立したダイドーを設立した(ダイドーは1984年に現在のダイドードリンコに社名変更)。

創業時から同社では45年以上にわたり、ファブレスという形態で商品開発を行っている。当時から現在に至るまで、一貫している思いが「本格的なおいしいコーヒーを届ける」という本物志向。自社の味に対する徹底的なこだわりと、実際に製造すする協力工場のノウハウを掛け合わせるファブレスならではの方法で、この思いを実現し続けているという。

全国に協力工場を持つダイドーのファブレス経営3つの強み

マーケティング部アシスタントマネージャーの土屋淳一氏は、同社のファブレス経営における強みは大きく3点あると話す。

「まずひとつは...

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