社会環境が大きく変わるコロナ禍で、企業の広告・マーケティングにどのような変化が起きているのか。宣伝会議では6月9日から11日にかけて開催した「宣伝会議SIMCウェビナーウィーク(SIMC)」にて、日本を代表する6社の広告・マーケティング部門責任者が集うセッションを企画。ここではコロナ禍を打破する各社の取り組みや考えについて紹介する。
新型コロナウイルスの影響を受け、広告・クリエイティブ戦略に変更はありましたか?

左上からヤマハ 山中哲郎氏、カルビー 野堀和哉氏、サントリーコミュニケーションズ 牧野清克氏。左下からレノボ・ジャパン 越智道夫氏、ソフトバンク 藤平大輔氏、ダイキン 片山義丈氏。
野堀氏(×):細かい広告表現の変更はしたものの、コロナに特化したコミュニケーションやクリエイティブは実施していない。
牧野氏(〇):この環境でできることを考え、リモート撮影を基本として制作した「話そう。」キャンペーンを企画、実施した。
藤平氏(〇):テレワークの普及に伴い、自宅における通信環境へのニーズの高まりを受け、自宅内の通信インフラを訴求するコミュニケーションに注力するなどした。
越智氏(〇):OOH広告の出稿を止めるなどした。またテレワークのキーワード増加に合わせ、新たなクリエイティブを配信した。
山中氏(〇):音楽領域では満員の観客が熱狂するという広告表現が定番だったが、この状況下では「密」を想起させるとしてSTAYHOMEの文脈に合わせた表現に変更した。
片山氏(〇):従来はCMの中でいかに商品機能を楽しく伝えるかを重視していたが、コロナ禍では「換気」に着目し、エアコンメーカーだからこそ社会の役に立てるメッセージを届けることを意識した。
新型コロナウイルスに関連し、CSR的な活動は実施しましたか?

牧野氏(〇):大きく2つの活動を実施している。ひとつは前述の「話そう。」で、WebCMを主体としたBtoCのコミュニケーション活動。もうひとつがBtoBwithCの活動で「さきめし」という飲食店支援の活動を実施した。
藤平氏(×):当社が提供するサービスは...