メディア環境が大きく変化するなか、広告・コミュニケーションは大きな転換点を迎えていました。そんな折に起きたのが、新型コロナウイルス感染症の流行。人々の意識や行動が大きく変わり、また非接触のコミュニケーションの拡大で社会全体のデジタル化が大きく推進されようとしています。
この状況でいま、企業のマーケティング・コミュニケーション活動を牽引する宣伝部長は何を考え、これからの戦略をどう組み立てようとしているのでしょうか。そして、いまこの環境でコミュニケーションにできることとは何なのでしょうか。105社の宣伝部長への匿名アンケート、ならびに38社の宣伝部長の実名コメントから、変革期の「ブランド&メディア戦略」を読み解きます。
宣伝部門の今年度の戦略・方針や注力したい施策・領域などについて聞いたアンケートの回答を一覧で紹介する。回答項目は、【1】部門人数・平均所属年数、【2】部門の管轄業務、【3】今年度の広告宣伝の戦略・方針、【4】今年度、注力したい施策・領域、【5】注目の話題・手法、【6】広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること。
01 赤城乳業

マーケティング部
執行役員 部長
寺瀬 正和(てらせ・まさかず)
1991年入社。2001年営業部、2010年広域量販部次長を経て、2019年より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 7人 |
平均所属年数 | 約3年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
ソーシャルメディアや口コミを有効に活用。地域深耕・地域別企画を実施、お客さまの拡大に努める。
今年度、注力したい施策・領域
● 商品の売上を宣伝施策で高めること
● 継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)、既存顧客への対応
● 商品開発部門(事業部門)との連携
注目の話題・手法
● 顧客体験(CX)
● 動画の活用
● OMO(Online Merges Offline)
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
新たな市場創造。0→1を生み出し、1→100へと拡大していく中で、分析から仮説を出し、感性を加えながら企画を決めていくことは、非常にやりがいを感じます。
02 アサヒ飲料

宣伝部
部長
前川 哲(まえかわ・さとる)
1992年アサヒビールに入社。2003年9月マーケティング部課長、2016年9月マーケティング企画部部長を経て、2018年3月より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 25人 |
平均所属年数 | 約5年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
統合型コミュニケーションの実践により、マーケティングROIを最大化する。
今年度、注力したい施策・領域
● 商品の売上を宣伝施策で高めること
● データの活用
● 部門内の人材育成
注目の話題・手法
● 人工知能(AI)
● データ活用
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
社内、社外の関係者と協力しながらダイナミックに仕事を進められること。
03 アサヒビール

マーケティング本部
宣伝部 宣伝部長
望月 省二(もちづき・せいじ)
1995年入社。1996年大阪支社営業担当、2002年酒類本部企画部、2005年宣伝部、2009年宣伝部制作グループリーダー、2014年メディアグループリーダーを経て、2019年4月より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 12人 |
平均所属年数 | 約6年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
①インサイトを追求した広告コンテンツの開発/②メディア展開の最適化(マス×デジタル×リアル)により、「お客さまの心を動かす広告展開」を実現し、ファン、ユーザーを獲得・拡大する。
今年度、注力したい施策・領域
● 企業のブランド価値を向上させること
● 商品の売上を宣伝施策で高めること
● クリエイティブ力の向上
注目の話題・手法
● 顧客体験(CX)
● データ活用
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
広告には、世の中をワクワクさせる力があると思います。広告業務自体は、戦略性が求められるとともに、お客さまの反応がダイレクトに返ってくるところが魅力。