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広告の舞台裏

強烈な印象のCMは『資産』 復刻版CMを打つカルビーの戦略

独特のリズムと無表情の女性が印象的なテレビCMで話題となった「じゃがりこ」。20年以上の時を経たこの4月、あの「正しいいも」篇の復刻版「あのCM再び」篇と、平成の約30年間で流行したファッションが次々と登場する「平成ヒストリー篇」を放映して、売上アップに大きく寄与した。なぜこのタイミングで復刻させたのか。カルビーのCM戦略にイー・スピリット代表の足立茂樹氏が迫った。

若年層にブランドを浸透させた復刻版CMの威力

足立:かつては、カルビーさんのCMはかなりの量を目にしていましたが、最近はあまり見なくなった印象を持っています。それにも関わらず、市場シェアはあいかわらずダントツの1位ですよね。

野堀:ここ30年で出稿量はかなり減っています。とくにテレビCMは、2014年にタイム枠を止めてスポット枠に絞ったので見る機会が減ったかもしれません。それでも売上が伸びている理由はひとつには、スポット枠にすることで、我々の狙ったタイミングで好きな量の広告を打ち、それに合わせて営業が商談をする流れができたから。もうひとつは、昔の広告がいまだにお客さまの頭の中に刷り込まれていて、"資産"になっているからだと思います。

足立:カルビーさんは多くのブランドを抱えています。そのなかで広告を打つ優先順位はどのように決めているのでしょうか。

野堀:翌年販売する新商品・既存商品の中から、まず、テレビCMを出稿する最重点ブランドを決めます。次に、テレビ以外でプロモーションをするブランドを決めていきます。最重点ブランドに選ばれるのは基本的には、大幅な売上拡大が期待できるブランドです。視点としては費用対効果を重視しています。

足立:6年ぶりにテレビCMが復活した「じゃがりこ」は、最重点ブランドに選ばれたということですね。

松井:「じゃがりこ」は今年3月にコンビニエンスストア限定商品でチャック付きスタンドパック型の商品を発売しました。従来のカップ型からさらに携行性を高め、食べたい時に食べたい量だけ食べることができる新しい商品で、新たな顧客とシーンを獲得して売上を伸ばそうということで最重点に選ばれました。

足立:「あのCM再び」篇は話題になりましたよね。「平成ヒストリー」篇も、平成に流行ったファッションがくるくる出てきて面白かった …

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