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広告の舞台裏

限られた広告費で売上前年比超 場を温めてCMを打つ「戦略」

幸楽苑ホールディングス

2019年5月、幸楽苑は2019年3月期通期連結業績を発表。売上高は前年比の実績を上回り、黒字転換した。業績低迷、赤字決算という逆境から見事な回復を遂げた幸楽苑。その仕掛け人である同社 広報マーケティング部 部長の平松葉月氏に、イー・スピリット代表の足立茂樹氏が話を聞きました。

テレビCM「ウソ発見器」篇

売上回復の鍵はマーケティングと戦略にあり

足立:「幸楽苑」は現在、東北を中心に東日本に500店舗以上あり、年間のべ約5700万人が来店するそうですね。平松さんは広報室立ち上げで入社し、広報室長になられたそうですが、どのように課題を解決されていったのでしょうか。

平松:幸楽苑では2016年頃から売上が落ち込んでいました。メディアの報道の影響でマイナスイメージが抜けず、2018年3月度の決算では赤字に転落。こうした状況を打破しようと、当時の副社長であった現社長の新井田が広報室の立ち上げを企画し、立ち上げに伴い、私は2017年に入社しました。広報室と言いながらまずはPRよりもマーケティング施策を打って売上を黒字に持っていかなければならない状況でした。

足立:逆風の中のスタートですね。

平松:大変でした。そもそも幸楽苑には「マーケティング部」がなく、営業部が商品別にバラバラに広告を打っている状況でした。そこで、コーポレートブランドの確立が必要なタイミングと考え、企業統一メッセージを発信すべきと考えました。

足立:広報として仕事をスタートされたけれど、マーケティングもやることになったんですね。どんな戦略を考えたのでしょう?

平松:幸楽苑のコアとなる価値を見直すことから始めました。元々は「安さ」「290円の中華そば」が幸楽苑の売りでしたが、今は他にも安いラーメン店が出てきて、「安さ」で一番を目指すことは難しい。そこで、安い中でも外食産業として「味の追求」を一番にやらなければならないという決断に至りました。幸楽苑の原点ともいえる「中華そば」のリニューアル発売が2018年4月に決まり、この新しくなった「中華そば」を基点に幸楽苑のマーケティング戦略を仕掛けていきました。

足立:マーケティング主導で動いていたのですか?

平松:商品のリニューアルが先です。味をブラッシュアップしていこうという話があり、それを機に広告を打つことになりました。

足立:広告費もふんだんに使えないと思うのですが、どのようなことを広告出稿の目標にされたのですか。

平松:テレビCMは最低限の費用に抑えて、PRに注力しました。

足立:広告を打ちつつ、PRにつながることを行ったのですか …

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