日本における流通革命の担い手として成長を続けてきたスーパーマーケット。複数の専門店に行かずとも必要な食品が安く揃う利便性の高さから、私たちの生活には欠かせない存在となっている。
本書『スーパーマーケットのブランド論』は、スーパーマーケットの企業と店舗のブランドに着目。購買だけではない、"話題性を高めるための小売ブランド戦略"について、先行研究と定量・定性分析を交えながら論じた一冊だ。
著者で流通研究者の寺本高准教授は、「スーパーマーケットが今後、売上という側面だけでなく、社会的地位という側面からも優位に立つうえで、『ブランディング』が必要であること、そしてそのブランディングのアプローチとして『話題性を成果指標に加えること』を提起している点が読みどころです」と本書について語る。
なぜスーパーマーケットに今、話題性を高めるブランド戦略が求められているのか。本書冒頭で寺本氏は「ロイヤルティ・マーケティングで囲い込んできたロイヤル顧客を中心に売上・利益増を狙うのには限界がある。利用顧客に話題にしてもらうことで、新規顧客のトライアルを促し、ロイヤル顧客へと育成していくステップが必要」と指摘している …
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