
「企業と社会」論とは何か CSR論の進化と現代的展開
● 著者/松野 弘
● 発行所/ミネルヴァ書房
● 価格/3500円(税抜)
次から次へと明るみになる企業の不祥事。これらのケースの中には、社会貢献や社会的課題の解決を企図し、環境問題の対策部門あるいはCSR(企業の社会的責任)部門を設置しているような大企業も散見される。
本書『「企業と社会」論とは何か』は、CSR論の視点から、企業不祥事を防ぐための理論的・実践的な方策を著した一冊。
著者の松野弘氏は、「近年の相次ぐ企業不祥事は、結局のところCSRを単なる対外的なPRのレベルで捉え、企業を取り巻くさまざまな社会的課題に企業自身が積極的に取り組んでいくことを回避していることに起因しています。本書では『企業の社会性』、つまり社会的存在としての企業が果たすべき社会的使命や社会的役割をCSR論の歴史的背景、理論的・実践的な進化の過程から分析し、これからのCSRのあり方、すなわちポストCSR論の新しい方向性として、「企業と社会」論や「ソーシャル・マネジメント論(社会的経営論)の視点や考え方を提示しました」と話す。
CSR論は20世紀初頭の米国で、本来、社会的存在である企業の行き過ぎた経済権力、そして利益至上主義的な経営姿勢を政府や消費者が法的に規制しようとしたことに始まっている …
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