「より包括的な情報社会に向かう上での重要な一歩だ」。12月、国連専門機関の国際電気通信連合の趙厚麟事務総局長は述べた。2018年末までに世界のインターネット利用者数が、初めて世界の総人口の半数を超えるとの見通しを発表したからだ。
加速度的に人々がインターネットに繋がり、さらにはIoT技術が伸長していくとともに蓄積されていく膨大な情報、ビッグデータ。本書「ビッグデータ統計解析入門」は、ビッグデータの分析に統計学がどのように活用されているかを鳥瞰して全体像を明らかにしながら、今日における代表的な分析手法の解説を試みている一冊。
著者は、ビジネス分野の統計分析を専門とする照井伸彦氏。あらゆる産業がサービス化へと向かう中で、現代企業は顧客に合わせて適切な提案をすること(パーソナライゼーション)で顧客のロイヤリティ創出を目指している。それを実現する資源こそビッグデータであり、活用することでマーケティング施策をきめ細やかに考えられ、施策の効率化が期待できると照井氏は冒頭で述べる。本書はビジネスやマーケティングの現場で、今まさにデータの利活用を求められている状況を念頭に置いている点が特徴と言えるだろう …
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