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ブランド拡張のメリット、デメリット

菓子から酒類に拡大! サッポロビール「男梅サワー」世界観を守りながら顧客開拓

サッポロビール 伊藤寿俊

サッポロビールの缶チューハイ「男梅サワー」は、ノーベル製菓の飴「男梅キャンデー」をブランド拡張させて生まれた商品。現在は、同社の缶チューハイの屋台骨とも言える存在にまで成長している。成功事例から、ブランド拡張のポイントを探る。

「男梅サワー」(アルコール度数:5%)から、「超男梅サワー」(9%)、「はちみつ男梅サワー」(3%)へとブランド拡張させている。

予想を超える反響に供給が間に合わない大ヒット

サッポロビールが販売する缶チューハイ「男梅サワー」は、ノーベル製菓の飴「男梅キャンデー」とコラボレーションして生まれた商品だ。2013年の発売当初は、期間限定品としての提供だったが、予想を大幅に超える売れ行きから、同年内に通年化が決定。その後も、過去最高売上を記録し続け、現在は同社の缶チューハイのラインアップの中で、屋台骨と言えるまでに成長している。

「男梅サワー」が生まれた背景は、当時の担当者が新商品のアイデアを考えているときに、隣に座っていた社員が「男梅キャンデー」を舐めていたことだった。当時、梅サワーは青梅を使用した商品が主流であり、お酒との親和性も高い梅干し風味であれば、新規性のある商品が生まれると考えた。

現在、同社で「男梅サワー」を担当するスピリッツ事業部 RTDグループ マネージャーの伊藤寿俊氏は、「当社はRTD(缶を開けてすぐに飲むことができるアルコール飲料)市場において、最後発でした。他社と同じ方法で商品を育成しようとしても、市場から受け入れられるハードルが高いと判断し、独自の戦略を模索していたのです。第1弾として、不二家さんの桃ジュース『ネクター』と開発したサワーが好評だったこともあり、第2弾企画を検討していました」と背景を明かす。

そこで、ノーベル製菓にコラボレーション商品の開発を提案したところ、「男梅」ブランドの情報発信につながるのではと好意的に受け止められ、発売にいたった …

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