
(左)1967(右)2017
「クエックエックエッ、チョコボ~ル~♪」というテレビCMのフレーズを覚えている人も多いだろう。チョコレート菓子の国民的ブランドといっても過言ではない森永製菓の「チョコボール」が、50周年を迎えた。1967年の発売当時、チョコレートは板チョコが主流の時代。子どもが手で触っても溶けないように表面をコーティングし、丸い形状の中にピーナッツを入れた。
さらに取り出すためには、上部角の取り出し口を空けるという当時としては斬新なパッケージでヒット。現在は「ピーナッツ」に加えて、1973年発売の「キャラメル」と1994年発売の「いちご」が定番化され、数多くの期間限定商品を発売してきた。
この「チョコボール」と切っても切れない関係なのが「キョロちゃん」。チョコの取り出し口が鳥のクチバシに似ていることから制作された同社のオリジナルキャラクターだ。実は当初「キョロちゃん」という名前は、森永製菓内だけで呼ばれていた愛称だった。この名前を1991年からパッケージに掲載するようになり、テレビCMやグッズ展開、アニメ化もされて一気に認知度が上った。現在では「チョコボール」と言えば、すぐに「キョロちゃん」が思い浮かぶほど、ブランドと一体化している。
また、「チョコボール」で忘れてはならないのが、プレゼントキャンペーンだ。黄色の取り出し口に「金のエンゼル」が出れば1枚で、「銀のエンゼル」が出れば5枚集めると、「おもちゃのカンヅメ」が手に入れるという企画。発売当初は、小学生の収集欲を刺激する「豆本マンガ」が入ったカンヅメ「まんがのカンヅメ」が当たる企画だったが、2年後の1969年に現在の「おもちゃのカンヅメ」になった。
50年間も継続しているプレゼントキャンペーンというのも驚異的と言える。親が子どもの頃に集めていた銀のエンゼルが保管してあり、自分の子どもが出したものと合わせて応募されてくることもあるという。現在も月に約1万人が当選しており、カンヅメのコレクターもいるほどだ。
「チョコボール」がこれだけ長く愛されてきた理由について、森永製菓 マーケティング本部 菓子食品マーケティング部の野条理恵氏は、「商品そのものや『キョロちゃん』、『おもちゃのカンヅメ』を絶え間なくブラッシュアップして、それぞれの時代の子どもから愛されてきたからではないでしょうか」と分析する。現在では子どもの頃に親しんだ人が、大人になっても購入することが起きており、その規模は無視できないほどだという。
視点01 商品
取り出し口が分からない「チョコボール」も発売
「チョコボール」は定番商品である「ピーナッツ」「キャラメル」「いちご」に加えて、さまざまな期間限定商品を発売してきた。「ビスケット」「ヨーグルト」など、そのバリエーションは70種類を超える ...