
読売広告社 代表取締役社長 中田安則(なかだ・やすのり)
上智大学法学部卒業後、1972年読売広告社入社。2003年執行役員第1営業本部長。05年取締役、07年から現職。2007年から博報堂DYホールディングスの取締役も兼務。
読売広告社は「プロモーションコンサルティング」をビジネスコンセプトに掲げ、顧客のビジネス成功に直結したソリューションを提供していくと打ち出している。営業で長くクライアントに向き合い続けてきた中田安則社長に同社の今後のビジョンを聞いた。
─プロモーション強化の狙いは。
市場環境やクライアントの要望が変化する中で、大手とは違う読広ならではの色を出していこうと取り組んだ結果です。「プロモーションコンサルティング」と掲げたのは最近のことですが、バブル崩壊後からプロモーションの強化に取り組んできました。
そもそも、創業当初は新聞案内広告が主力でした。オイルショック後に求人の扱いが減ったことから、メディアの扱いを広げるためテレビに力を入れました。その際の切り札となったのがアニメ番組の企画でした。今で言う「コンテンツ開発」です。テレビは主力の一つではあるものの、今ではプロモーションの売上比率が50%に近づいています。
もっとも、現在の方向性が必ずしもベストとは考えていません。これまで案内広告からテレビ、プロモーションへと広げてきたように、将来への布石を打っていくことが大切です。今後大きく成長するのがコンテンツビジネスなのか、データビジネスなのか。収益性も検討しながら、投資を続けていく考えです。
─読広ならではの取り組みとは。
不動産販売や都市開発、大型商業施設などの分野で研究や発信を行う専門組織「都市生活研究所」は、広告会社としては ...