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つながりを深める「個客」マーケティング

米国の最先端マーケティングに見る ネット時代の消費者心理

平久保仲人(ニューヨーク市立大学)

インターネットテクノロジーの進化により、生活者の意識や価値観が変わりつつある。そうした中、あらゆるチャネルがシームレス化するオムニチャネル時代において、リアル店舗とネットはどう共存していくべきか。米国を通じ、生活者の変化を探る。

ネットが変えるメディア環境

日本では移動中スマホを眺める人の姿は見慣れた光景になった。アメリカでも通勤電車やバスで新聞を広げる乗客を見つけるのはかなり難しい。大手新聞社の倒産や身売りが相次いだり、老舗雑誌がネット配信のみになったりと紙媒体は衰退の一途をたどっているのは当然の結果なのだ。

広告予算にもその影響は如実に表れている。2014年にネット広告は18%の伸びを見せ、総額$430億とテレビの$670億に猛追している。テレビも4%増えて主要メディアの4割を占めている。今でも効率よく大衆にリーチするのにテレビに勝る媒体はないのだ。アウトドア、ラジオもそれぞれ5%、2%増やしており、新聞(-8%)、雑誌(-3%)が負け続けている状況だ。

知的コンテンツにおいても、音楽と書籍のネット配信は定着した感があるが、映画やビデオも急速にオンライン化している。ブロックバスターの店舗は全て閉店となり、郵送DVDレンタルのネットフリックスもレンタルの売上は14%下落した。しかし、同社はネット配信に軸足を移し、総売上は32%増やしている。

苦戦するリアル店舗と好調を維持するネット販売

インターネットは物販にも多大な影響を ...

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