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日本におけるCMOのあり方を考える

日本のCMOのパイオニアが明かす、CMOの仕事術

ロコンド CMO 汲田貴司

全体最適の視点で、マーケティングや情報システムの最適化を図るCMOの役割は、いわば、オーケストラの指揮者かプロ野球の監督のような存在といえるかもしれない。実際のCMOの業務とはどのようなことをするのか。一休のCMOを経て、現在ロコンドのCMO、汲田貴司氏に聞いた。

CMOの二つの役割

マーケティングとは、サイエンスとアートの交差点で未来へのシナリオを描くことと捉えています(図表1、2)。サイエンスは「分析力、理性、効率・合理性」のことで、市場を冷徹に分析し、データドリブンな判断で成功確率を高めること。いわば左脳的な行為です。一方のアートは「構想力・創造力、感性、意思・想い」。顧客インサイトを探求し、新たな価値を創造する右脳的な行為です。この二つの掛け算で、企業が目指すべきゴールや未来シナリオを設計し、それを実行・具現化することで、独自の市場を開拓していく活動がマーケティング。そこで提案した価値が顧客に支持されれば、結果、企業へ収益をもたらす。これを全社一丸となって推進することが、最高マーケティング責任者(CMO)の役割であり、行動原則だと思います。

CMOの役割には、「経営陣の一人としてのCMO」と「マーケティング業務の執行ディレクターとしてのCMO」という二つの側面があります。

前者は、収益最大化が経営陣共通のミッションの中で、あえて顧客・生活者の視点から意見する役割。例えば、新規事業の是非を検討する場合、当該市場の規模や投資コストによる判断だけではなく、その市場で当社らしい顧客価値が提案できるか、当社らしい独自市場が創造できるか、という観点から意見する。経営陣の中で顧客のことにもっとも詳しく、市場の洞察力や新たな兆しの発見力に長けていなくてはなりません。

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