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日本におけるCMOのあり方を考える

ダイハツ工業「ムーヴ」はなぜ、新たな価値提案に成功したのか?

ダイハツ工業

軽自動車のセールスポイントである低燃費・低価格。商品格差が見えにくいコモディティ化した激戦マーケットのなかで、新たな価値を提案する車種として打ち出し、2012年に登場した新ムーヴ。市場を読み抜き、生活者インサイトを捉えた好感度の高いコミュニケーション戦略はどのように生まれたか?

軽自動車市場に新たな競争軸を創出

国内のクルマに占める軽自動車の割合は年々上昇している。現在、日本の自動車市場に占める軽自動車保有台数・軽自動車比率は37.2%(※1)。3台に1台以上は軽自動車という計算になる。その中でダイハツは2007年以降、7年連続で軽自動車の新車販売のシェアNo.1を獲得している(2012年度軽四輪新車販売台数)。これまで、ダイハツとスズキの2強が覇権を争っていた軽自動車市場に、後発のホンダが2012年本格販売を開始した。「N Box」などのNシリーズを導入し、全国に2000店舗以上のディーラーを抱える販売戦略網で大躍進を遂げている。各社がしのぎを削る群雄割拠の戦国時代が、まさに軽自動車市場といえる。

とくに低燃費競争は激化し、わずかな燃費の差を争う状況になっている。2012年12月にマイナーチェンジしたダイハツの新「ムーヴ」は、クラストップ(※2)の低燃費や低価格を商品価値の主軸に据えながらも、基本性能や安全性能(衝突回避システム搭載)などを格段に進歩させた主力モデル。競合のスズキ「ワゴンR」とホンダ「NOne」とのセールスポイントの差別化を印象づけるために、ムーヴを、「新時代の軽自動車」と位置付け、軽自動車市場に新たな競争軸をつくり出している。

コミュニケーション計画を担当したのは、国内企画部の村田大典氏。宣伝では、「クルマの魅力をどう伝えるか?」という広告・宣伝の機能について、テレビCMやWEBほかそれ以外のコミュニケーションも含めて、基本的に一人の車種担当者が行う。商品の開発部署、技術部など部署間を横断した議論を交わし、最適なコミュニケーション計画を目指した。

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