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日本におけるCMOのあり方を考える

日本流「CMO」の条件、「ネットワークプランナー」機能とは何か

松風里栄子(博報堂コンサルティング)

ここ数年日本においてもCMO導入の機運が徐々に高まっている。形骸化を防ぐためにもその機能について整理し、全社として合意形成しておくことが大切である。博報堂コンサルティングの松風里栄子氏が、真に機能するCMOの条件について語る。

顧客バリューチェーンをマネジメントする

The business enterprise has two‒and only two‒basic functions:marketing and innovation.Marketing and innovation produce results,all the rest are costs.(ビジネスの結果を生むのは、マーケティングとイノベーション、このただ2つの機能であり、その他の企業活動は全てコストである)。このピーター・ドラッカーの言葉を、フィリップ・コトラーは、本年3月3日に東京で開かれたフィリップ・コトラー マーケティング・フォーラムで引用し、「イノベーションで勝つためには、マーケティングとの両輪関係を構築すべき」と語った。どちらが欠けても、これからの時代の成長は難しいだろうということである。しかし、どれだけの企業が、この2つの機能を十分に備えているのだろうか。

企業における広義のマーケティングとは、全てのバリューチェーンにまたがる顧客に向いた活動と捉えることができる。本来バリューチェーンは、価値連鎖と邦訳されるように、調達・企画・製造・販売など、顧客価値を生み出す各企業活動の連鎖を、体系的に構築するフレームワークであった。ただ、実際には個々の活動が縦割になり、連鎖的活動というよりも区切られた活動となっているケースが多い。この状況を見直して全社機能を真の「顧客バリューチェーン」として再構築し、広義のマーケティングという観点から統合的にマネジメントする役割を担う存在、それがCMOなのである。

イノベーションとマーケティングの両輪は、CMOによるマーケティングの統合的マネジメントから始まる、といっても良いだろう。なぜなら、顧客にとって価値あるイノベーションは優れたマーケティングによって生み出され、また優れたイノベーションを梃子(てこ)に市場を創造する活動もマーケティングだからである。

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