『イカゲーム2』に『ブリジャートン家3』 Netflix人気ドラマとコラボする米企業
『イカゲーム』『ブリジャートン家』などのヒット作品で知られる配信サービス・Netflixは、視聴者数拡大だけでなく番組体験ができる施設をオープンするなど視聴者と深く結びついている。そんな絶大な人気にあやかろうと広告やコラボ商品開発など提携する米企業が増えている。
米国広告マーケティング事情
コーヒーメーカーを買おうとインターネットで検索していたら、しばらくどこのページにいってもコーヒーメーカーの広告が出てくる。これはグーグルやアマゾンなどが膨大な消費者データを保有・分析し、顧客にターゲット広告を提案しているためだ。
このように従来の人口統計学データに行動データなどを加えた膨大なデータ、いわゆる「ビッグデータ」を活用し、効率の良い販促を行う企業が近年増えている。IT情報をオンライン上でまとめるコミュニティ「Wikibon」によると、ビッグデータ関連の売上は2011年の72億ドルから2017年には478億ドルと約6・6倍に伸びる予測を立てている。本号では米国企業のビッグデータ活用法についてリポートする。
全米に5000店舗を持つカー用品チェーン店オートゾーンは、ビッグデータを活用し、店舗別にカスタマイズしたセール品の販売を行っている。たとえば、テキサス州の店ではエンジンオイルを、ニューヨーク州の店では芳香剤を、ハワイ州の店ではエアロパーツをプッシュしたバーゲンセールを同時に開催。顧客の車種、住居エリア、地域別に売れている商品、現地の天候、在庫など膨大なデータをコンピュータで分析し「店舗を訪れた客は何かひとつでも必ず購入するように」という戦略を立てている。スタートアップのNuoDB社にソフトウェアの開発を委託しており、「これが将来の方向性であると当社は考えている」とオートゾーン、チーフ・インフォメーション・オフィサーのロン・グリフィン氏はウォールストリートジャーナル(WSJ)紙に述べている。
オンラインで写真素材を販売するシャッターストックは、1日平均1万点の写真を追加し、現在2400万枚以上の写真をストックしている。同社はグーグル開発のHadoop分散ファイルシステム(HDFS)を利用し、ユーザーのサイト内のカーソル移動軌跡や1枚の写真を購入するまでの時間などあらゆるデータを分析し、効率よい販売に結びつけている。
また、これらのデータはクラウド上にあるためデータのスペース代やメンテナンス費用がかからないのも魅力。
「ユーザーのどんな細かい動きも逃さず分析し、最大限利用する」と同社CEOジョン・オリンジャーはWSJ紙に語っている。