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米国広告マーケティング事情

ターゲット、オートゾーン・・・ ビッグデータを活用する米国企業

松本泰輔

店舗別にカスタマイズしたバーゲンセールを実施

コーヒーメーカーを買おうとインターネットで検索していたら、しばらくどこのページにいってもコーヒーメーカーの広告が出てくる。これはグーグルやアマゾンなどが膨大な消費者データを保有・分析し、顧客にターゲット広告を提案しているためだ。

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このように従来の人口統計学データに行動データなどを加えた膨大なデータ、いわゆる「ビッグデータ」を活用し、効率の良い販促を行う企業が近年増えている。IT情報をオンライン上でまとめるコミュニティ「Wikibon」によると、ビッグデータ関連の売上は2011年の72億ドルから2017年には478億ドルと約6・6倍に伸びる予測を立てている。本号では米国企業のビッグデータ活用法についてリポートする。

全米に5000店舗を持つカー用品チェーン店オートゾーンは、ビッグデータを活用し、店舗別にカスタマイズしたセール品の販売を行っている。たとえば、テキサス州の店ではエンジンオイルを、ニューヨーク州の店では芳香剤を、ハワイ州の店ではエアロパーツをプッシュしたバーゲンセールを同時に開催。顧客の車種、住居エリア、地域別に売れている商品、現地の天候、在庫など膨大なデータをコンピュータで分析し「店舗を訪れた客は何かひとつでも必ず購入するように」という戦略を立てている。スタートアップのNuoDB社にソフトウェアの開発を委託しており、「これが将来の方向性であると当社は考えている」とオートゾーン、チーフ・インフォメーション・オフィサーのロン・グリフィン氏はウォールストリートジャーナル(WSJ)紙に述べている。

オンラインで写真素材を販売するシャッターストックは、1日平均1万点の写真を追加し、現在2400万枚以上の写真をストックしている。同社はグーグル開発のHadoop分散ファイルシステム(HDFS)を利用し、ユーザーのサイト内のカーソル移動軌跡や1枚の写真を購入するまでの時間などあらゆるデータを分析し、効率よい販売に結びつけている。

また、これらのデータはクラウド上にあるためデータのスペース代やメンテナンス費用がかからないのも魅力。

「ユーザーのどんな細かい動きも逃さず分析し、最大限利用する」と同社CEOジョン・オリンジャーはWSJ紙に語っている。

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