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米国広告マーケティング事情

2024年米マーケティング業界をAIやVR・ARなど4つのテーマで予想

松本泰輔

アメリカ連邦準備制度理事会(The Federal Reserve Board)は2024年のGDP成長率を1.5%と予測し、インフレ率は2%と引き続き高いものの「厳しい不景気はないだろう」と発表※1。2024年のマーケティング業界は何を中心に展開するのかを予想してみた。

※1 https://www.usatoday.com/money/blueprint/investing/economic-outlook-2024/

①生成AIによるマーケティングの熟成

2023年9月にアンケート調査を行ったアクセンチュア社によれば「約80%のCMOが2024年にAIとデータへの投資を増やす(前年の57%から上昇)」と回答している※2。AIを使った高性能チャットボットの登場で、Z世代の88%が「AIがネットショッピングを改良できると思う※3」と答えており、Eコマース業界ではカスタマーサービス向上に期待が高まる。

※2 https://adage.com/article/digital-marketing-ad-tech-news/how-cmos-plan-useai-2024/2519231
※3 https://adage.com/article/digital-marketing-ad-tech-news/how-gen-z-envisionsai-improving-e-commerce/2516131

また、生成AIによるクリエイティブは年々進化を続けており、直近のナイキのキャンペーン「By You」ではユーザーが好きな色や形などを指定して購入することができる斬新なスタイルで売上を伸ばした。この他コカ・コーラ、BMW、ハインツなどが印象的なAI広告を出稿するなど、2023年はAI広告の飛躍の年となった。加えてChatGPTやMidjourneyなどのAIツールの登場により多くの消費者がAIを体験していることから、生成AIによるマーケティングはさらに熟成していくと予想される。

①AI

スニーカーを自分でデザインできるナイキ「By You」キャンペーン広告(上)。ナイキHPではシューズの前・横・かかと・ソール・ロゴなど11カ所を自分の好きな色や形でカスタマイズできる(下)。かかと部分にはアルファベット8文字まで好きな言葉を入れることも可能。インフレにより市場が冷え込むなか、微増ではあるが前年対比で売上を伸ばしている。

②AR・VRの用途拡大、サステナビリティの改善

2024年はAR・VRの技術革新がさらに加速し、より豊かな疑似体験をもたらすと専門家は予測する...

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