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実践!プレスリリース道場

農作業時間を約18分の1に「ロボット稲作」のリリース展開

井上岳久(井上戦略PRコンサルティング事務所)

新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。

新しい農業のあり方を提案し
メディアや行政、農家からも
多くの共感と注目を獲得!

農業人口の減少が問題化している近年、農作業をロボットに任せ、未経験者でも就農を可能にする取り組みが海外などで広がっています。テムザックは、人と共存しながら実用的な業務を遂行する実用ロボット「ワークロイド」でそれを実現し、PRにも力を入れています。同社の前身は自動車部品の販売会社として創業し、ベルトコンベヤーなどをつくっていました。

三代目だった髙本陽一さん(現:代表取締役議長)は、もともとロボットに関心があり、1993年に社屋に置いた受付用ロボットが人気を呼んだことから2000年にロボット製造業を専業とするテムザックを設立しました。

これまでに災害救助ロボットや小児患者型ロボットなど、危険作業や人の役に立つロボットを開発。一般的にロボットメーカーは一分野に特化していることが多いのに対し、テムザックはさまざまなジャンルに対応できるのが特色であり強みです。

「ワークロイド農業」を提唱

農業用ワークロイドは、農業の人材不足に着目していた同社に宮崎県延岡市から声がかかり、同市の農業公社と連携して開発。生産する作物は、農林水産省が力を入れる米粉用の米です。

開発したワークロイドは、田んぼの水を攪拌することで雑草が生えるのを防ぐ「雷鳥1号」、アタッチメント交換することで稲刈りなど多様な作業に対応できる「雷鳥2号」、イノシシなどが侵入すると高圧放水で追い払う「雷鳥3号」。同社では、これらを活用した「ワークロイド農業」を提唱しています。

もともと耕作放棄される小さな農地を想定しており、農家が個々で購入するよりは、…

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