新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
BtoBでも切り口を変えれば
自社情報を上手に
コンテンツ化できる!
スキマ時間にアルバイトをするというコンセプトで、テレビCMもよく見かける「タイミー」は、タイミーが提供するスポットワークのマッチングサービスです。
同社はCMだけでなく広報も積極的に展開しており、今回は2023年8月に配信した「ホテル・レンタカー業界のスキマバイト利用実態レポート」を取り上げたいと思います。
タイミーは1997年生まれの若き起業家・小川嶺さんが立教大学経営学部在学中に立ち上げた事業。当初はアパレルのマッチングサービスを展開していましたが、小川さん自身が事業にのめり込めず撤退。
それまでのアルバイト経験から時間の有限性を実感したこともあり、人々が豊かな時間を送れることを企図してタイミーというサービスを思いつきました。
2018年のスタート以来、順調に成長していましたが2020年からのコロナ禍では取引事業者の中心だった飲食業界の求人が急減。物流業界を開拓することで乗り切ります。
2022年秋から少しずつ飲食や旅行業界での求人が復活する一方、物価上昇により副業で収入を増やしたい人も増え、需要と供給がかみ合って急成長を遂げました。小川さんは『Forbes JAPAN』(リンクタイズ)の「日本の起業家ランキング2024」で2位に選ばれ、一躍注目企業になりました。
ユニークな独自システム
タイミーにはいくつかのユニークなシステムがあり、そのひとつが面接なしで働けること。事業者として不安はないのか気になりますが、企業側も店員の病欠などにより急遽その日だけ人手が欲しい場面もあるといいます。「個々のワーカー(働き手)の過去の勤務実績などは、マッチング後に確認できるため...