社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

一誠商事
1972年創業
五十嵐翼が「一誠不動産」を創業し、1979年に一誠商事へと改組。1980年にはそれまでの売買・賃貸仲介に加えて賃貸管理業を開始。2011年に五十嵐徹が代表取締役社長に就任。茨城県内に11の本支店、東京・秋葉原に1支店、計12店舗で事業を展開し、2023年度の管理戸数は24500戸。社員数は332人。
茨城県南・県央エリアを中心に不動産取引を手がける一誠商事が2022年9月に創業50周年を迎えた。「人と街を繋いで50年、そして次の50年へ」というコピーと記念ロゴは、社内公募で選ばれたもの。
「ロゴの募集は『絵心がないから…』と敬遠されてしまうのでは、という不安もありましたが、手描きやエクセル、ワードなど、さまざまな方法で応募があり、嬉しい驚きがありました」と話すのは、営業企画課の三津井真理氏。従業員皆が自分ごとにするための意識づけとして、ロゴを刻印した記念名刺も配布した。

社内公募で決定した周年ロゴとコピー。「周年を真摯に考えてくれていることが伝わってきた」と三津井氏。


社史は社員と約3000人の不動産オーナーに配布された。
社員の手で行動指針を作成


社員によるプロジェクトチームが作成した行動指針はポスターやアプリ「RECOG」などを通じて社内で共有された。
自分ごと化を深める施策として「7つの行動指針プロジェクト」も始動。「当社が掲げる3つの企業理念を、より具体的な行動に落とし込めるよう、全支店・全部署から集まった16人ほどのプロジェクトチームが4カ月ほどかけて行動指針としてまとめました」と人事部部長の小俣浩氏は語る。
20~30代のメンバーが中心となってまとめた行動指針は、社内でも「行動原理が分かりやすくなった」と好評だという。人事の評価制度にも取り入れられたほか、感謝や称賛の気持ちを「レター」で贈り合えるチームワークアプリ「RECOG」を導入し、レターに7つの行動指針のアイコンから該当するものを選んで添える仕組みを採用している。
「指針のアイコンがついたレターは毎月100通以上飛び交っています。やりとりは...