社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。
ヨコオ
1922年創業
横尾忠太郎が創業した横尾製作所。精密パイプ加工技術を活かして「バネ棒」や「ロッドアンテナ」を開発し、世界シェアを獲得。現在、自動車をはじめ、半導体検査、携帯端末、先端医療機器、社会インフラ用システムに至るまで、さまざまな領域で革新的な技術や製品を生み出し続けている。従業員数は984人(グループ総計8304人・2023年3月末現在)。
2022年9月1日、ヨコオが創業100周年を迎えた。周年を機に理念体系を刷新し、同社にとって初となるブランドスローガン「幸せを、進化させる。」を制定した。
これらは、経営陣が全員参加で討議を重ねてつくり上げたもの。それを取り仕切った事務局の中心人物が、広報・株式部の松本英之氏だ。従来のビジョンとミッションは、2008年のリーマンショック後に、落ち込んだ社内の機運を盛り上げていくために社内公募したものなので、やや内向きな側面があったという。「そこで、『挑戦とイノベーションを続けてきた100年の歴史と、これからも挑戦し続け、社会に貢献していく姿勢を社会に表明し、存在価値を高めていく必要があるのでは』と提案しました」。
社員皆で100周年を推進すべく、2020年9月からウェブ社内報「The Yokowo Times」を開始。周年事業はもちろん、各部署の取り組みや社員が評価されたニュースなどを共有すると、「会社のことを知る機会が増えた」「楽しみにしている」という声が寄せられた。「配信は周年事業を終えた現在も継続しています。部下が増え、配信頻度を週1回から2回に増やしました」(松本氏)。
新しい理念体系を全社員に展開する前に、まずは2021年9月からは...