テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。
『スーパーJチャンネル』 |
---|
各局がしのぎを削る、夕方のニュース。そのなかでも、1997年のスタートと最長の歴史を誇るのが『スーパーJチャンネル』だ。
最も大切にするのは生活者の目線
「夕方のニュース番組でいま定番になっているサイドスーパー*のデザインは、実は私たちが先駆けです」。そう語るのは、25年近い番組の歴史のなかで約16年にわたって、ディレクター、そして現在はプロデューサー(P)として番組を支える、山崎智之氏だ。
そんな山崎Pが、最も大切にしていることは、何か。「私がスタッフによく言っているのは『生活者の目線を大事にする』ということです。ニュースを伝える際、報道に携わる人間は『自分たちの生活にどういうかかわりがあるか』という視点を、忘れがちになるからです」。
「生活者の目線」は、特に夕方のニュースでこそ大切なポイントなのだと、山崎Pは語る。「報道番組と言っても、朝の番組、昼、夕方、そして夜と異なります。それぞれ『誰に伝えていくのか』を、考えなくてはなりません。夕方であれば、視聴者には主婦の方が多くいます。夕飯の準備をしながら、あるいは食べながら、見てくださっている。そう考えたとき、夕方の番組としては、やはり『生活者の目線』を最も大切にしたいですね」。
ニュースの伝え方を考える際にも、その根幹には「生活者の目線」があるという。
「例えば『まん延防止等重点措置』が決まった場合。スーパーやデパートはどうなるのだろうか、私たちの生活はどうなるのか。そういう視点を大事にして、視聴者と共感しながらニュースを伝えたいと考えています」。
リリースは総花的では刺さらない
夕方のニュース番組として、「生活者の目線」を...