テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。
『Live News イット!』 |
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各局がしのぎを削る、夕方のニュース。その激戦区で最近、着実に視聴率を伸ばしている番組がある。それが『Live News イット!』だ。番組立ち上げ時から現在まで制作の陣頭指揮を執る、上田平吉弘チーフプロデューサー(CP)に、話を聞いた。
共感の“イット”を提供したい
番組タイトルの『イット!』だが、ニュース番組の名前としては「一風変わった」ような印象を受ける。
「イットは、日本語で“それ”という意味を持ちます。会話で『そうそう、それ』というように、相槌を打つときに使う言葉です。学校や職場、家庭での日常で通じ合うときの言葉である“イット=それ”を番組を通して提供したい。そんな想いを込めました」。
さらにロゴにも、番組制作で大切にしたい価値観が表現されている。
『イット!』の“!”は、ポリゴンと呼ばれる多角形をモチーフにした形になっている。このポリゴンには、2つの意味があると上田平氏。
「ひとつは多様性です。多様な社会を伝えていきたいという想いを込めました。そしてもうひとつは、あるひとつのテーマでも、光を当てる角度で見え方が違ってくるということ。飽きないで見てもらうには、光の当て方で勝負するしかありません。番組の各コーナーは、そのための仕掛けとしての役割も担っています」。
ニュースに付加価値
『イット!』を語るうえで欠かせないのが、充実したコーナー群だ。
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