テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。
『グッド!モーニング』 |
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通勤や通学の準備で忙しい、朝の時間帯。慌ただしい視聴者に短い時間でニュースを伝えながら、他局と一線を画す個性を打ち出す。「早朝」は番組の伝え手にとって、特に難しい挑戦が求められる時間帯だ。
そんな難しい時間帯での新たな挑戦に、「総力戦」で挑んでいるのが『グッド!モーニング』だ。チーフ・プロデューサー(CP)の高崎文宏氏と、メーンキャスター(MC)の坪井直樹氏に話を聞いた。
「2016年に番組をリニューアルし『朝の情報まとめ番組』というコンセプトを掲げました。ニュースはその時間でふさわしい見せ方で伝えます。6時台は忙しい時間なので、2、3分で事実関係を中心に。少し落ち着いてくる7時台には掘り下げて伝えています。朝は3、40分の視聴が一般的ですが、2時間通して見て頂いても、飽きないように構成しています」(高崎CP)。
「私は、正確さはもちろんですが、『みなさんはどう思いますか』というメッセージ性を、必ずどこかに入れて、情報を伝えるようにしていますね」(坪井MC)。
視聴者が今一番気になる話題を独自取材
朝の番組というと、時間の制約からどうしても前日夜のニュースを振り返るか、新聞の朝刊を報じることが多い。だが、『グッド!モーニング』はその一歩先を行く挑戦を、この夏から始めている。それが「独自取材」だ。
「今、独自取材に最も力を入れています。競合に対する差別化にもなりますし。同じテレビ朝日のなかでも、夕方や夜のニュースで報じていないものを伝えるようにしています」(高崎CP)。
視聴者の反応などで、独自取材の確かな手応えを実感したのが、無免許運転の発覚から都議会を欠席し、雲隠れを続けていた、木下富美子都議(当時)への...