DICは、総合ファインケミカルメーカーとしてグローバルに事業を展開する。ステークホルダーに向けての環境負荷に対する説明責任。DICでは、より多くのニーズに応えるため2種のレポートを作成している。ESG情報の開示ポイントを聞いた。

DICレポート2021
サステナビリティ推進部(4人)を中心に、コーポレートコミュニケーション部と協力・連携しつつ作成。要点を簡潔にまとめたハイライト版(72ページ)と、2017年度からは詳細版(166ページ)の2種を発行。幅広い対象に分かりやすく伝える工夫として、ハイライト版では「カラーユニバーサルデザイン」*を採用している。
*色覚の多様性に配慮して、より多くの人に情報がきちんと伝わるよう、色使いに配慮したユニバーサルデザインのこと。
DICは1908年に印刷インキの製造所として創業。現在は総合ファインケミカルメーカーとして世界62カ国で事業展開している。
求められるESG情報の開示
「化学メーカーは環境負荷が少なくない存在としてイメージを持たれやすいと認識しています。自社の安全・環境への取り組みはファクトベースで具体的に示し、環境対応に向けて責任を持った発信を意識しています。統合レポートは元々70ページほどの冊子(現在のハイライト版)を作成していましたが、それだけではESG情報の開示が不十分と考え、より内容をブレイクダウンさせた詳細版を2017年度から作成しています」。
そう話すのはサステナビリティ推進部長 池田規子氏。詳細版は元々、外部評価機関向けを想定していたが、実際公開すると、ほとんどの株主/投資家がハイライト版ではなく、詳細版を閲覧しているという...