日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

リスク広報最前線

スシローがYouTuberの投稿で炎上 企業に求められる「加害者」としての対応とは

浅見隆行(弁護士)

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

問題の経緯

2018年3月6日

回転寿司チェーン店「スシロー」の店内で、YouTuberが回転レールの上に小型カメラを設置し、来店客や店員の様子を映した。カメラはバックヤードで回収されたものの、すぐに返却したためYouTubeに公開され、衛生面やプライバシーの問題などで批判を浴びた。


    当社店舗において撮影された動画公開について

    このたび当社店舗を利用された方が、ポータブルカメラを回転レーンに設置し、店舗内を撮影のうえ、その動画をインターネット上の動画共有サイトにて公開したことが判明いたしました。

    掲載された動画は、当社が撮影ならびに撮影許可したものではございません。

    撮影が行われた際、店舗におきまして十分な対応が行われておらず、お客様には、ご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申しあげます。

    当該店舗につきましては、回転レーンを含め、清掃及び消毒を終了しております。

    本行為は、衛生管理の観点ならびにご来店いただいたお客様のプライバシーの観点から許されることではなく、現在、警察当局に相談させていただいております。

    今後同様の行為がおこらないよう、各店舗への注意喚起を徹底するとともに、本件当該動画投稿者ならびに今後同様の行為を行った者に対しては、法的措置を含めた厳格な対応を検討して参ります。

    お客様にご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

スシロー「当社店舗において撮影された動画公開について」より(2018年3月10日付リリース)


2018年3月6日、回転寿司チェーン店「スシロー」(あきんどスシロー)の店内で、YouTuberが店員の目を盗んで回転レールの上に小型カメラを設置し、店内や他の来店客の様子などを撮影。異変に気づいた従業員がカメラを回収しましたが、データの残った状態ですぐに返却したため、動画はYouTubeに公開されました。

この動画に対して、「迷惑だ」「食中毒などの衛生上の問題はないのか」「他の来店客のプライバシーが侵害されている」などの批判が殺到。動画を撮影された被害者側であるスシローは、同月9日にネットメディアの取材に応え、10日に公式サイトにも「当社店舗において撮影された動画公開について」と題するリリースを掲載しました。

SNSが普及し始めた約10年前から相次いでいる顧客による悪質な投稿は、多くの企業にとって懸念事項になっています

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

問題の経緯

2018年3月6日

回転寿司チェーン店「スシロー」の店内で、YouTuberが回転レールの上に小型カメラを設置し、来店客や店員の様子を映した。カメラはバックヤードで回収されたものの、すぐに返却したためYouTubeに公開され、衛生面やプライバシーの問題などで批判を浴びた。


    当社店舗において撮影された動画公開について

    このたび当社店舗を利用された方が、ポータブルカメラを回転レーンに設置し、店舗内を撮影のうえ、その動画をインターネット上の動画共有サイトにて公開したことが判明いたしました。

    掲載された動画は、当社が撮影ならびに撮影許可したものではございません。

    撮影が行われた際、店舗におきまして十分な対応が行われておらず、お客様には、ご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申しあげます。

    当該店舗につきましては、回転レーンを含め、清掃及び消毒を終了しております。

    本行為は、衛生管理の観点ならびにご来店いただいたお客様のプライバシーの観点から許されることではなく、現在、警察当局に相談させていただいております。

    今後同様の行為がおこらないよう、各店舗への注意喚起を徹底するとともに、本件当該動画投稿者ならびに今後同様の行為を行った者に対しては、法的措置を含めた厳格な対応を検討して参ります。

    お客様にご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

スシロー「当社店舗において撮影された動画公開について」より(2018年3月10日付リリース)


2018年3月6日、回転寿司チェーン店「スシロー」(あきんどスシロー)の店内で、YouTuberが店員の目を盗んで回転レールの上に小型カメラを設置し、店内や他の来店客の様子などを撮影。異変に気づいた従業員がカメラを回収しましたが、データの残った状態ですぐに返却したため、動画はYouTubeに公開されました。

この動画に対して、「迷惑だ」「食中毒などの衛生上の問題はないのか」「他の来店客のプライバシーが侵害されている」などの批判が殺到。動画を撮影された被害者側であるスシローは、同月9日にネットメディアの取材に応え、10日に公式サイトにも「当社店舗において撮影された動画公開について」と題するリリースを掲載しました。

SNSが普及し始めた約10年前から相次いでいる顧客による悪質な投稿は、多くの企業にとって懸念事項になっています。中でも飲食店では、利用者が店舗内でふざけている様子を撮影して、Twitterなどにアップする案件が多数発生しています。そこで今回は、スシローのケースを題材に、顧客がSNSに不適切な内容を投稿した場合の危機管理広報のあり方を検討します …

あと31%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

リスク広報最前線 の記事一覧

スシローがYouTuberの投稿で炎上 企業に求められる「加害者」としての対応とは(この記事です)
コインチェックに損害賠償請求 会見で「法的責任」の追及は防げたか
LGBTQや人種差別問題 理解不足がさらなる批判を招く
リニア建設工事で入札談合 強制捜索を巡る各社の姿勢に差異
日馬富士暴行事件で批判殺到 過熱報道の原因は公表の遅れ
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する