経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
谷田千里社長は、映画『体脂肪計タニタの社員食堂』に登場した気弱な二代目副社長のモデルとなった人だ。
実物は、無垢な子どものようにナイーブな顔立ち。もじもじと体を左右に揺らしながら話す姿は、映画と同じく一般的なトップのイメージからほど遠い「おとぼけキャラ」だ。しかしその裏にあるのは、実にしたたかな戦略家の姿。質疑応答の場面で、それを垣間見た。
タニタカフェの値段に関する質問に、営業本部長の浅尾祐輔氏が回答したあと、別の記者から「その値段は健康意識の高い人向けでは?顧客の裾野拡大を狙う方針に沿っていないように感じる」という質問があった時のこと。谷田社長はマイクを取り「実際にはまだ決まっていません。先ほどのご質問には優等生的にお答えしましたが、ご指摘の通り、考えた上で裾野拡大を狙っていきたいと思っています」と表情を変えずに答えた …
あと65%