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SHOW YOUR SHOP!

26年目での改装、時代に即したアップデートで働く人にもやさしい店舗へ進化

Villa ASO

2023.09.16 Renewal Open/Villa ASO

ウェディングドレスの裾やヴェールが長いデザインをより美しく写真や映像に残せるように、祭壇は2段高さをつけた。

都心では次々と新たな商業ビルの建設やリノベーションが進んでいる。震災の多い日本での耐震問題など避けられない事情も多いが、顧客を失うリスクもあるリニューアル。時代に向き合いながらも、顧客からの印象を維持するリニューアルに、代官山のランドマーク的存在のレストランとカフェが挑んだ。

正面の広いテラス席が印象的な「カフェ・ミケランジェロ」は、数多の雑誌の表紙や映像作品の撮影にも使われてきた。店内を通り抜けた奥に、「リストランテASO」がある。周辺には各国の大使館が点在するエリアだ。

街の名前を耳にしたとき、そのエリアの印象を大きく決めるシンボルのような建物を思い浮かべることはよくある。しかし、最近は街の変化が激しく、久しぶりに訪れたとき、建物が新しくなっていたり、別のものになっていると、街を歩く感覚を取り戻せないことが増えた。ランドマークとしての重要性は、失って初めて気づく。

旧山手通り沿いに面した昭和初期に建てられた洋館を改築し、1997年にオープンした「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」。樹齢300年の欅の大木は通りからも見上げられる、まさに街のシンボルだ。オープン当時は珍しかった道路に面したテラス席がヨーロッパの雰囲気を感じさせ、長年代官山を代表するランドマークとして愛されてきた。しかし、建物自体の改修やサービスクオリティの向上、人材育成など、時代にあわせたアップデートが必要という判断から26年目での改装に踏み切った。

とくにこだわったのが、「歴史と調和したリニューアル」だ。この地で受け継ぎ、培ってきた文化といえる空気感を変えないこと。そのために、まずは運営会社のひらまつの担当部署と、店舗スタッフを含めた大型プロジェクトチームを結成。全員で2つの店の魅力やコンセプトとなるワード、自分たちの使命や目的、顧客への接し方や提供する体験価値について話し合いを重ねた。

建物の部分では、壁の塗り替えや床の張り替え、さらに館内の照明のLED化や空調機器の最新化などを行い、電力量削減48%を実現。また、昇り降りをスムーズにするため、大きな段差や階段はスロープにつくり変えた。これは建物をただ単に保存・修繕していくだけではなく、今の時代に即した形への進化が必要不可欠だという考えからだ。

運営面について、「カフェ・ミケランジェロ」では、行列対策として番号呼び出しシステムを採用。来店した客に番号を発券し、席が空き次第順番に案内するように変更した…

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