企業のプロモーション施策に、インフルエンサーの起用は重要な位置を占めるようになった。しかし、彼らが持つ強みはそれぞれ異なる。この記事では、消費の立役者であるインフルエンサーの潜在力を最大限に引き出し、戦略の効果を最大化する方法について、TikTokに特化したエージェンシーNateeのCOO 朝戸太將氏が解説する。
インフルエンサーの特長は、それぞれが大事にする個性や価値観から生まれる影響力です。また、視聴者が魅力に感じるポイントも、インフルエンサーごとに異なります。例えば、容姿に対する憧れや、内面的な悩みに対する共感、参考になるライフスタイルといったジャンルが挙げられるでしょう。
このような背景から、消費者が購買を意思決定する理由も、インフルエンサーの個性や魅力によって多様化しています。
購買の決定打の例として、インフルエンサーに対する「信頼性」「リアリティ」「憧れ」「独自性」「応援」などが挙げられます。
「信頼」「共感」が購買力に 起用時のポイントは
消費者の関心や価値観が多様化する昨今。日常的にインフルエンサーから情報を受け取ることも多く、購買への態度変容が起こる傾向にあります。その傾向を踏まえると、インフルエンサーを起用する際に、企業側はまずターゲットとインサイトを具体的に把握することが必須です。その上で、起用の際にチェックしたいポイントは3つあります(図1)。
1つ目は、「求めるターゲットの一致」です。定量的なフォロワー層や定性的な興味関心が、ブランドや商品の求めるターゲットなどと合致するか、確認することが重要です。
2つ目は「信頼性・透明性」です。日常的に誠実なコンテンツ発信を心がけ、消費者とコミュニケーションを取っているか、確認しましょう。
3つ目は「オーセンティックなクリエイティブ制作」です。自身の言葉でブランドや商品への思いを伝えることが、信頼性のある(オーセンティックな)メッセージとなり、購買につながるポイントです。
キャスティングとコンテンツ それぞれの“仕上げ方”
ここからは、実際の成功事例の紹介から、インフルエンサーマーケティングのヒントを詳しくお伝えしていきます。当社はショートムービー活用が強みとなるため、ショートムービーにおける事例を紹介したいと思います。
ショートムービーの特長は、フォロワー数を問わず、コンテンツが再生・拡散される点です。つまり、ショートムービーを活用する際は、まず多くの視聴を目指したキャスティングとコンテンツ制作を行う必要があります。キャスティングでは、インフルエンサーの特性を考慮しながら、ブランドや商品に対して多様な切り口を用意できるよ...