多くの企業が実施しているインフルエンサーを起用したプロモーション。選定からオリエン、実際の投稿まで行ってはみたものの、なかなかその先の成果につながらない……という経験がある担当者も多いのではないだろうか。そんな悩みを解決するべく、インフルエンサーキャスティングから企画までを行う「僕と私と」に話を聞いた。
Z世代向けの企画を行っている「僕と私と」は、なんとメンバーの約3分の1がインフルエンサー。様々な企業のインフルエンサープロモーションを支援している同社に、企業がインフルエンサーを起用するにあたって気を付けていくべきポイントについて聞いた。
まずインフルエンサーを起用するにあたっては、そのほかの施策と異なる点、インフルエンサーならではのメリットを理解すべきだと思います、と話すのは同社のCEO 今瀧健登氏。
「当たり前ですが、他の施策と最も異なるのは、主語を人にしたプロモーションが行えるということです。企業からの一方的な宣伝とは異なり、そのインフルエンサーの思ったことや感じたことをベースにしてコミュニケーションできることは大きな強みだと思います。逆に言えば、機能性やサービスの実績を定量的に訴求する必要性が高いtoBの商材については、相性がよいとは言えないのかもしれません」(今瀧氏)。
インフルエンサーのその先にいるフォロワーの性格を見抜く
また、起用するインフルエンサーを選定する際、その商品とインフルエンサーの親和性はもちろん、どのようなフォロワーがついているのかをしっかりと確認するのは基本中の基本だ。さらに押さえておきたいのは、そのインフルエンサーの口癖や普段どのような商品をおすすめしているのか、どのような価値観を持っているのかということ。そして、それらが自社のブランドイメージと合致しているのかも重要になる。
「担当者の中には『人気のインフルエンサーに紹介してもらいたい』という気持ちが先行していて、その先の本当に届ける相手である『フォロワー』に目が向いていないケースも見受けられます。そういった企業には、より自社商品のターゲティングの具体度を上げていただき、そのペルソナと合致するフォロワーが多いインフルエンサーに依頼することをおすすめしています。そのインフルエンサーのフォロワーアカウントをランダムに10人ほど閲覧してみると、どういった性格のフォロワーが多いのか、おおよその見当がつくのではないでしょうか」(今瀧氏)。
大多数の人に届けたいだけなのであればモデルやタレントといった著名な芸能人でもよいはず。インフルエンサーの「よりニッチかつ共感度の高いファンがいる」という強みを活かすためには、その先にいるフォロワーのことをより深く知ることが重要。フォロワー属性が複数ある場合には、その属性ごとの投稿や企画の出し分けも、効果の最大化につながるかもしれない。

図 ターゲッティングの具体度と効果の関係性
また同社TikTokマネージャーのSHUZO氏は、インフルエンサーに依頼する際には面談を行うほうがよい...