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「その発想はなかった!」悔しい。けど上手いプロモーション・アイデア

電通、博報堂、ADK MSの若手に聞いた「企画100本持ってきて」と言われたときの発想法

大野聡馬,西出壮宏,岩田泰河

プロモーション企画は、毎日のように新しいものが生まれ、絶えず世の中に展開されている。ありとあらゆる事例がある中でも、これまでとは違う見せ方や切り口を見つけることが求められているが、アイデアの量を出すのは難しさを感じる人も多いのではないだろうか。ここでは、電通、博報堂、ADKマーケティング・ソリューションズ(以下、ADKMS)で活躍する現役若手クリエイターが集結。クリエイティブ職の「あるある」からアイデア発想法まで、普段から企画を仕事にしている若手の考えを聞いた。

ADKマーケティング・ソリューションズ
EXデザインセンター第4EX
クリエイティブユニット合田ルーム
CMプランナー
大野聡馬氏


人材派遣会社から、パチンコまで。幅広いクライアントを担当。朝日広告賞入選。ブレーンC-1グランプリ「女子がもっと気軽にAVを観る世の中になるコピー」グランプリ。三軒茶屋さくらんぼの種飛ばし大会優勝。

博報堂
生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
コピーライター/ディレクター
西出壮宏氏


横浜国立大学建築学科卒業。広告のコンセプトや社会課題対峙に興味を持ち、博報堂入社。その後、TBWA\HAKUHODOに出向し、現在、生活者エクスペリエンス局所属。コピーライティングを軸に、事業開発からマス領域まで広く担当。TCC審査委員長賞、新聞広告賞グランプリ、Cannes Lions Bronzeなど受賞。

電通
1CRP局
コピーライター
岩田泰河氏


2014年電通入社。以来、コピーライターひとすじ。日清「匂わせたい」KANEBO「I HOPE.」サントリー「ほろよい飲んで、なにしよう?」など。

電通・博報堂・ADK MSの若手が『販促会議』に集結!

クリエイティブ配属の誰もが通る?「年鑑」の黙読と写経

─今日はU35の若手クリエイターの方々に集まっていただきました。各々、自己紹介をお願いします。

大野:ADK MSでCMプランナーをしています。入社前からクリエイティブ志望だったのですが、最初の3年はマーケティングの部署で調査などを担当していました。クリエイティブに異動になったのは、入社してから4年目の頃だったので今はクリエイティブ歴5年です。よろしくお願いします!

西出:博報堂の西出です。コピーライターをしています。2016年に入社して、すぐにTBWA\HAKUHODOに出向。4年間在籍していました。そこでは主に外資クライアントを担当していましたね。現在は博報堂に戻り、コピーライターをしています。

岩田:電通の岩田と申します。僕は2014年に入社して以来、ずっとクリエイティブ局に所属しています。よろしくお願いします!

─三者三様の皆さんですが、まずは若手クリエイターの「あるある」からお聞きしたいです。当時、先輩からよく言われていたことはありましたか?

西出:ストラテジックプランニングの部署や営業部署と比較して、クリエイティブでよく聞くのは、「配属された瞬間に放っておかれる」ということですね(笑)。

大野:年鑑を読んだり、写経したり、みたいな感じですか?

西出:そうそう。とくに何か具体的な指示があるわけでもなく、自発的な行動が求められているような雰囲気なんですよ。当時、最初に僕が先輩から言われたのは「あそこに『TCC年鑑』と『ACC年鑑』あるよね?」という言葉でした。暗に「何をしたらよいかわかるよね?」って言われているような(笑)。

岩田:僕も同じです。「○○してください」という指示は受けたことないかもしれない。

西出:やっぱりそうなんですね。僕はそれこそ、入社して1週間くらいのときは年鑑を読み続けていて。次の週に先輩から「何してるの?」って言われたんですよ。「読んでました」って言ったら、「読んで、どうしたの?」って言われて。当時の僕からすると「え?」ですよね。でも、今となっては好事例から切り口や伝え方を学べという教えだったのかもしれないなと解釈しています。

岩田:電通も、基本的には「自分で勉強してね」という感じでした。なので、まずは企画や広告に関する本をまとめ買いして読んでいました。あとは広告事例をとにかくアーカイブしていましたね。先輩から大量のDVDをもらい、過去のカンヌや国内賞の事例をずっと見ていた記憶があります。

大野:僕は入社から3年経ってからのクリエイティブ配属だったので、まずは皆さんに覚えてもらうことを意識しましたね。同じ会社でも部署が違えば顔も名前も知らないなんてことはよくあるんですよ。なので、とりあえず自分の名前を記憶してもらって、仕事をもらうために、まずは「飲みの場」を企画してみたりとか。そのときの自分が、一番すぐにできる「企画」というか。そこからスタートでした。

─実際に「企画100個持ってきて」と言われることってあるんですか。

大野:100個とは言わないですが、とにかくいろんな切り口を持ってきてとは言われます。でも、最初の頃は切り口なんてわからなくて。自分としては、別の企画を持って行っているはずなのに、切り口が同じって言われてしまうんですよね。

岩田::僕はアイデアをたくさん考えるのが苦手で、企画100個は考えたことがないですね。でも、コピー100本はギリギリ書いていたかな…。最初の頃は切り口とかコンセプトとか方向性とかわからずに...

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