ナンバーナイン WEBTOON×エスカレーター広告
「WEBTOONって縦長じゃん?めっちゃ縦長で広告打てるとこって、エスカレーターのベルトじゃん?と思ってノリで作った広告がこちら。」投稿された1つのツイートに映っていたのは、縦スクロールで読む漫画WEBTOONがエスカレーターのベルトにプリントされている様子だった。X(旧Twitter)で88万インプレッションを超え、バズった広告企画が生まれるまでの裏側を、出稿主であるナンバーナインの小禄卓也氏に聞いた。
ナンバーナインは、電子コミックの配信サービスなどを手掛けるクリエイターエコノミー事業や、縦スクロール型の電子漫画WEBTOONの企画、制作、販売などをはじめとしたWEBTOON事業を手掛けている企業だ。
やるべき準備はすべてやった
しかしこれではバズらない
そんな同社は7月20日、WEBTOONを訴求する広告展開を開始した。出稿場所に選んだのは、エスカレーターのベルト。いわゆる手すりにあたる部分だ。X(旧Twitter)で出稿を告知する投稿をするや否や、大きな話題をよんだ。
本企画を手がけたのは、ナンバーナインのCXO*小禄卓也氏。WEBTOONの宣伝施策を行うにあたり、これまでに見たことがないような表現で広告を打てないかと考えていたのが企画の始まりだったという。
*チーフ・エクスペリエンス・オフィサーの略
「今回掲出したのは、WEBTOONの『ラッシュナイト』という作品の広告です。この作品は、音楽×復讐劇をテーマに繰り広げられる物語で、LINEマンガで先行配信されています。『ラッシュナイト』は、配信スタートにあたって様々なプロモーションを準備してきました。例えば、音楽系の物語ということもあってサウンドトラックをつくってSpotify等で配信してみたり、SNSで広告を回したり、YouTubeでティザー広告を流したり。やるべき準備はやってきていたはずだったのですが、『バズを生む』観点では、何かが足りないと課題に思っていました」(小禄氏)。
当時『ラッシュナイト』が想定していた課題は、作品のコアターゲットとLINEマンガのコア利用者層がマッチしていないこと。また、過去にナンバーナインが制作した他のWEBTOONと比較して、LINEマンガ内での販促施策数が少ないことが決まっていたため、LINEマンガの外で施策を行う必要があったのだ。
「もちろん、作品自体が面白いという自信は...