入国制限の緩和措置により日本の玄関口、東京国際空港の利用客数が復活。約3年の延期を経て、ついに羽田エアポートガーデンが開業した。空港利用者だけでなく、ビジネスエリアへの成長や地域との連携など、施設を中心にした新たな商圏の創造を目指す仕掛けとは。
羽田エアポートガーデンの中心に位置するグランドホワイエは、「ベルサール羽田空港」のイベントホールとの一体利用も可能。
コロナ禍を受けて開業時期の変更を余儀なくされた施設は多々あるが、2023年1月31日にグランドオープンした複合施設、羽田エアポートガーデンはその最たる例だろう。当初は2020年4月のオープン予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受けて、開業を延期。海外からの入国制限の緩和などが進んだことから約3年を経て、ついに晴れの日を迎えた。
羽田空港第3ターミナルに直結する施設の中核には、オールインワンホテルをコンセプトにした2つのホテルがある。
全室リバービューで、173㎡のスイートもある「ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港」（部屋数160室）と自動チェックイン機も導入しフローの最適化を推進している「ヴィラフォンテーヌ グランド 羽田空港」（部屋数1557室）という異なるクラスの空港ホテルで、羽田空港第3ターミナルで発着する国際線を利用する幅広い客層に対応。最上階12階には宿泊客以外も利用可能な24時間営業の天然温泉施設「泉天空の湯」を作り、岩盤浴やサウナ、レストランも併設。旅の前後の時間での滞在型の利用を創出する。
羽田空港第3ターミナルの2階到着ロビーからまっすぐ施設をつなぐ通路沿いのショッピングゾーン「ジャパンプロムナード」には、日本文化を感じられる伝統工芸や和菓子などの店が連なる。
グランドホワイエを囲むショッピングゾーンには、旅先で使えるアイテムが揃う「ハネダコレクション」、和食から新たな日本食として世界に広まっているカレーやラーメンまで並ぶ飲食店街とそばや天ぷら、ステーキなど特別感のあるメニューをスピーディに提供するフードコート「大江戸フードホール」を有する飲食ゾーン「ハネダフードセレクション」、お土産から旅の必需品まで並ぶ専門店街「羽田参道」と4つのコンセプトで分かれたゾーンに約80店舗が出店。
誘致した店舗は「福井洋傘」、京扇子の「白竹堂」、和雑貨「くろちく」など各地の和ブランドの東京初進出がある一方で、エキナカや駅前の商業施設で馴染みがある物販店も多く、空港の特別感と生活に近い店舗が...
