羽田空港の第3ターミナルに隣接してオープンした羽田エアポートガーデン。日本の玄関口に開業した複合施設は、訪日外国人観光客にとって日本に最初に触れる接点であり、出国する際の最後の接点になる。いわば、日本の印象を左右する立場に位置する当館は、どのような外国人観光客対応を心がけているのか。館全体を管理する村田尚之氏に聞いた。

羽田エアポートガーデン、空港からの接続口。
2023年1月、羽田空港(東京国際空港)の第3ターミナルに「羽田エアポートガーデン」が全面開業した。当初は東京五輪開催前の2020年にオープン予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、外国人観光客の利用が見込めなかったことから、開業を延期していた。
羽田エアポートガーデンは住友不動産グループが運営する複合施設。インバウンド向けの飲食店やみやげ物店などをはじめとした約80店舗を有し、1700室を超える客室を備えたホテル「ヴィラフォンテーヌ プレミア/グランド羽田空港」や天然温泉、イベントホール・会議室、バスターミナルなどを整備している。
羽田空港の“国際線旅客の利便性向上”と“国際交流都市観光に資する賑わいの創出”を併せ持つ新拠点形成を図り、日本の玄関口である羽田空港をさらに進化・発展させる街区創造を目指すべく設立された。
「羽田エアポートガーデンは従来の人気観光地だけではなく、まだ知られていない日本の魅力や価値、体験を提供する場としての役割を担う施設です。当館にはバスターミナルも備えているため、関東近郊の観光地へもこれまでより容易にアクセスできるようになりました。羽田は日本の玄関口。これから日本を楽しむ訪日外国人観光客にとって、“観光の起点”となるような施設になることが理想です」。
こう話すのは、当施設を統括する同社 羽田統括部長の村田尚之氏。羽田エアポートガーデンを中心にして、日本の各所に観光客が拡がっていくことができる施設として運営していきたいと話した。
訪日ゲストが過ごしやすい“受け入れ態勢”を整備する
村田氏によると、水際対策の緩和に伴い、訪日外国人観光客による商業施設、ホテル利用は好調。JNTOを活用した各国への配信や、海外メディアを集めた内覧会をメインにプロモーションすること...