2022年8月、大分・由布院にオープンした星野リゾートの温泉旅館「界 由布院」。「2023年に予約したい新規ホテル20選」に日本で唯一選出されるなど、国外からの評価も高い。そんな「今、国内で最も行きたいホテル」のひとつである「界 由布院」は、訪日ゲストに対してどのような対応を行っているのか。総支配人の丹澤徹氏から、現場のおもてなしを学ぶ。

星野リゾートが運営する「界 由布院」(大分・由布院)。コンセプトは「棚田暦で憩う宿」。
日本国内のみならず、インドネシア・バリ島や台湾など、世界各国にホテルを展開している星野リゾート。ラグジュアリーホテルの「星のや」をはじめ、地域の魅力を再発見してもらう目的で展開される「界」、そして街ナカに拠点を置く「OMO」など、利用者や場所に合わせてさまざまな形態で宿泊施設を運営している。
そんな星野リゾートが運営する「界」シリーズで展開される「界 由布院」が2023年1月4日、米国旅行サイト『CNN Travel』(所有:CNNワールドワイド)が発表した、「2023年に予約したい新規ホテル20選」に日本で唯一選出された。
また、同年4月6日には米国の旅行専門誌『トラベル・アンド・レジャー(Travel+Leisure®)』(発行元:Dotdash Meredith)が発表した「The 100 Best New Hotels in the World(The It List)」でも国内のホテルで唯一の選出。「世界が選ぶ、2023年に宿泊したいホテル」として評価が高まっている。
「界 由布院」は、2022年8月3日に開業。「棚田暦で憩う宿」をコンセプトに掲げ、宿の中心に由布院の原風景のひとつである棚田が一面に広がっているのが最大の特徴だ。施設の設計・デザインは、建築家の隈研吾氏が担当している。

フロントの様子。施設の設計・デザインは建築家の隈研吾氏が担当。
訪日宿泊客の割合は約30% 昨年末から増加傾向に
海外メディアからの評価も高い「界由布院」だが、現状でどのくらいの訪日外国人が宿泊しているのか。同旅館の総支配人を務める丹澤徹氏は、2023年4月時点では宿泊客の約3割が外国人観光客による利用だと話す。
「現在は訪日外国人の宿泊客が約3割を占めています。しかし、開業当時の2022年8月の時点では海外からのお客さまはほぼゼロに近い状況でした。当時は水際対策がまだ緩和されていない状態でしたし、国内でもマイクロツーリズムが...