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販促会議 企画コンペティション

販促コンペ受賞者が実践!応募前にできるブラッシュアップ術を公開

飯島 夢氏

いよいよ応募締め切りが迫る「販促コンペ」。そこで、過去の応募者に締め切り直前まで行っていた企画のブラッシュアップ術を聞きました。今から応募してみようとしている企画の中にも、受賞まであと一歩のアイデアがあるかもしれません。今回話を聞いたのは2020年の第13回、ロート製薬の課題「男性がスキンケアをしたくなるアイデア」にて、スキンケアブランド「極潤」で冷やしたおしぼりを提供する「極潤おしぼり」でゴールドを受賞した飯島夢さん。応募の際、実際に行っていたブラッシュアップ術を公開します。

飯島 夢氏
1996年生まれ。上智大学文学部哲学科を卒業後、Septeni Japanに入社。営業経験を経て、クリエイティブ本部へ異動。自分の中の社会を通じて、変わるべき価値観や問題に立ち向かうクリエイター。ことばを起点としたコミュニケーションプランニングを得意としつつ、社外でのイベント登壇など自らのことばで発信も行う。これまでに第13回販促コンペ(ゴールド)、第59回宣伝会議賞(協賛企業賞)、2022ヤングカンヌ日本代表(プリント部門GOLD)など。

行き詰まったら、別課題でリフレッシュ

「販促コンペ」では全ての課題に応募することにあまりこだわらずに取り組みました。商品になじみがあったり、なじみはなくても自分の視点を入れ込みやすい課題を5つほどピックアップして取り組むようにしていました。ひとつの課題につき、5~10案を出していたと思います。複数の課題に取り組むことで、行き詰まったら課題を変え、頭をリフレッシュできます。その結果、Aという課題で話していたことが、Bという課題で活きたこともあり、意図せぬ相互作用が生まれました。

“ボツ”にするのは、まだ早い

実際に資料を作成し始めてからは、一見“ボツ”に見える企画も、どうブラッシュアップしていけば良くなるかを粘り強く考えるようにしていました。ゴールドを受賞した「極潤おしぼり」の当初のアイデアは、サウナの更衣室にトライアルセットの自動販売機を設置するものでした。

サウナで「ととのう」と、肌が「ととのう」という言葉の共通項から、商品とターゲットの接点は発見できたものの、コアアイデアがなかなか発掘できず、ボツ案になる可能性もありました。ですが、「おしぼりで顔を拭く」という、ついついやってしまう行動を思い出し、全てが繋がった感覚がありました。

企画をブラッシュアップする上で考えていたことは、たくさんの応募企画の中でいかに審査員の印象に残るアイデアにするかという点です。

取り組む上で、特に気をつけたポイントは3つあります。1つ目は、一度で覚えられる企画名か、2つ目はコアアイデアがあるか。そして、最後までブレスト(ブレインストーミング)する勇気を持つことです。

企画名についてはわかりやすく、一瞬でアイデアが想像できる、そして一度で覚えられるかどうかという観点で考えていました。「極潤おしぼり」もこの点を意識しました。

コアアイデアについては、他人が企画書を見た際にどこが面白いか、シンプルに説明できるかを基準としていました。日常の中でも、面白いことがあるとつい人に話したくなったりしますよね。販促コンペの場合、審査員が見たときに、他の審査員に端的に魅力を共有することができるのか、想像しながら検証していました。

そして、何より最後までブレストする勇気を持つということです。締切の間際になると、資料作成に着手するので、案もまとめにかかろうとしてしまいます。守りに入ろうとする気持ちもわかるのですが、私たちは最後までコアアイデアのブレストをしていました。もちろん、伝え方を検証することも大事ですが、アイデアそのものが優れていたら、資料はシンプルなものでも勝てるはずだと信じていたからです。

実は、「極潤おしぼり」も締切の10日前に出たアイデアです。まとめにかかるのはまだ早いかもしれません。今あるものを崩すことを恐れずに、最後までブレストする勇気を持つということを伝えたいです。

    チェックポイント 1

    企画名は一目で覚えられるものか


    前回の販促コンペの応募総数は約4000件。つまり、数多くある企画の中から、審査員の印象に残る企画名にする必要があります。そのため、審査会の中で話題にあがるシーンを想像して、言いやすい“ことば”をチョイスしていました。

    チェックポイント 2

    魅力を一言で説明できる企画か


    企画のストーリーが複雑化していると、初めて見た人には、どこが企画の肝なのか伝わりません。ブラッシュアップの際、企画書を貫くコアアイデアがあるかを見ましょう。「おしぼりで顔を拭くだけで、気持ちよくスキンケアできるアイデア」など、どこが面白いかをシンプルに説明できる企画にすることがポイントです。

    チェックポイント 3

    最後まで勇気を持ってブレストしているか


    締め切り直前には、資料の完成に力を入れて、ブレストは諦めてしまいがち。しかし、受賞した「極潤おしぼり」も、締切の10日前に、実は企画のコアができあがったもの。コアアイデアに発見がある企画であれば、資料は最低限のシンプルな構成でも問題ないと考え、直前までブレストを重ねていました。

人について学ぶコンペなのかもしれない

販促コンペの応募や受賞を通じて、現在の仕事に活きていることは3つあります。

まず、「違和感を出発点にする」ということです。「極潤おしぼり」を考案したきっかけは、オフィス近くの中華料理屋で、男性がおしぼりで顔を拭いていた場面を思い出したことでした。普段自分ではしないことでもあったので、小さな違和感がありました。ただ、同時に「おしぼりってやっぱり気持ちいいよね!」と記憶に残っていました。日常を丁寧に見つめ、引っかかったものを思い出せるかどうか。企画でも、この点を意識することが多くなりました。

次に、「人を動かす」ポイントを考える特訓になりました。言語化されていないものの、確かに人が動くインサイトを見つけてくる力が身についたと実感しています。コピーライティングの表現や企画書の作り方などは専門的に訓練する機会はあっても、「人を動かす」ことに向き合って、特訓する機会は少ないはず。ぜひ応募の機会をフル活用してほしいです。

最後に、「シンプルかつ魅力的に伝える力が身につく」ことです。応募スライドは10枚まで、という制限がある中で起承転結を意識しながら、いかにストーリーを印象づけるか考える必要があります。条件がある中で、なるべくシンプルに、アイデアを魅力的に伝えられるか。この視点は、コピーライティングの仕事にも繋がっています。

領域外と思う人にこそ勧めたい

私は営業職の時、「販促コンペは自分の領域外では」と考えていました。そんな中、思い切ってトライしてみたら、クリエイティブ職も向いているかもしれない、と新たな自分の可能性を発見できました。今の自分に関係ないと思う人ほど、販促コンペに挑戦してもらいたいです。

企画は想像以上に様々な要素が集まって完成するものだと思います。例えば、営業の人は提案の構成に長けているなど、自分のバックボーンが活きる要素がひとつはあるはず。自分の可能性を見つけるため、最後まで自分の企画への挑戦を諦めず、チャレンジしてみてほしいです。

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