1997年に誕生したライオンのハンドソープ「キレイキレイ」は、固形石鹸が主流だった手洗い石鹸市場を大きく変える商品となった。25年を超えて愛される「キレイキレイ」について、ブランドマネジャーの小西真梨氏に聞いた。
- 販売名:キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープa(医薬部外品)
- 小売価格:オープン価格
- 主な販路:ドラッグストアなど
DATA
ハンドソープ市場を拡大したキレイキレイ
──あらためて25年前の誕生経緯を教えてください。
「キレイキレイ」が誕生したのは1997年です。その前年、大阪でO157による集団食中毒事件が発生し、清潔に対する関心が高まっていました。親はしつけとして手を洗ってほしい、一方の子どもは押しつけを嫌がるという負の連鎖がありました。
当時、実際に手を洗う場面ではまだ固形石鹸が主流でした。こうした市場環境で、「キレイキレイ」は手洗いの習慣化を社会的使命として開発しました。
全ての人が自発的に手を洗い、その習慣を家庭に浸透させるためには“バイ菌は怖いもの”という恐怖訴求よりも、手洗いを少しでも楽しい行為にすることが必要だと考えました。
そこで家族の清潔と健康を願う母親の愛情を意識したキャラクター「キレイママ」を起用しています。「キレイキレイ」という商品名も「〇〇しようね」と動詞化できるような言葉として選ばれています。手を洗う行為と商品名がリンクし、キャラクターも含めて楽しい習慣になればという思いが込められています。
──すぐに消費者に受け入れられたのでしょうか。
「キレイキレイ」の登場によってハンドソープ市場は一気に拡大、使用率も上昇しました。発売開始後しばらくして売上シェアナンバーワン※を獲得。2000年代に入ってからは現在までの21年間トップの座を維持しています。
消費者、販売店のニーズに応える新商品
──2020年の3月にはハンドコンディショニングソープを発売しています。
コロナ禍の発売になりましたが、コロナ禍を意識して開発したわけではありません。ハンドソープ市場では低価格帯アイテムが9割を占めるようになり、購買単価の低下がメーカー、販売店の課題となっています。そこで消費者のニーズに応え、販売店の課題も解消するようなアイテムが必要でした。
18年の当社調べでは、菌から家族を守りたいと...